発達障がいのある人に対する関わり方について、香川大学教授 坂井聡先生の講演を聞く機会がありました。一週間以上も前の11月10日(日)のことでした。『大人の発達障がいのある人の特性理解と支援』と題して、市行政関係者や福祉団体、子育て支援施設の支援員や指導者など、発達障がいとはどのようなものなのかや支援のあり方について、理解を深めようと多数参加していました。
特別な支援を必要としている人は、100人に6人位(6.5%)いるといわあれている。発達障がいとはどういうものなのか。
(ア)脳機能の障がいである。心の病ではない。育て方が原因となるものではない。
(イ)誤解を受けやすい。
(ウ)原因は特定されていない。
(エ)完全に治ることはない。
(オ)知的障がいの程度は、重い人からない人まで様々。
(カ)知的な遅れのない発達障がいを「軽度発達障がい」と呼ぶこともあるが、障がいが軽いわけではない。
自閉症や知的障害のある人の新たな仕事形態として、一人でできるよう『ショートタイム・ジョブ』の取り組みがある。雇う側にとってのメリットとして ㋐短時間、できる仕事を依頼することで、大きな負担なく仕事が頼める ㋑仕事をしてもらうことで、雇う側の時間が効率的になる ㋒短時間でも雇用する経験をすることで、障がいのある人を理解することにつながる などがある。また、働く側にとっては ①一般のアルバイトと同じ程度の時給 ②無理なく働ける ③個人がもつ能力を十分に活用できる ④身近な人が仕事の依頼をすることで、障がいのある人も緊張を強いられない などがる。
これを実現するには、発想を変えて雇用を考えることだ。
(ア)誰もがもつ仕事の一部を切り分けることで、障がいのある人たちの仕事が生まれる
(イ)知っている人が仕事を依頼することで働きやすくなる
(ウ)仕事のベースは作業所でもいい
そもためには、障がいを ‟克服する” から ‟付きあう” という考えへと進めることが基本だ。発達障がいのある人の就労は、それぞれの特性にきめ細かく配慮し、対処することで可能性が増大する。
発達障がいのある人はまじめだから辛い思いをするし、遊ぶことが苦手だからコミュニケーションがとれなくなるのです。私たちがこのような勉強の機会を持つことで、発達障がいについて知ることはとても大切なことです。これまでは、本人の頑張りと力で障がいを克服しようとしていましたが、これからは、周囲の理解や支援ツールによる、行政や社会の支援協力が重要なのです。
ノーマライゼーションが自立観を変えました。発達障がいのある人にとって、私たちの会話は「ピーチクパーチク」言っているようなもので、理解不可能なものであることに私たちが気付くことから始めなければなりません。目標は、発達障がいのある人の社会的な自立なのです。
坂井先生のテンポ良いユーモアいっぱいの語りで、あっという間の時間でした。継続して研修ができればと思っています。