よい年をお迎えください

平成23年・西暦2011年が終わろうとしています。
今年最後のお知らせです。
東日本大震災は、日本という国と民族の陰影を白日の基にさらしました。
津波被災地の復興と原発事故による放射能汚染対策の国の動きにたいして、被災地の皆さんの見せた行動は、あまりにも対照的でした。
国に対する怒りと諦めの入り交じった複雑な感覚を、被災地の皆さんは私たちをなだめてくれているようでした。
国が如何様であったとしても、この国は国民によって間違いなくよくなることを感じた一年でした。
また、身近なところでは、私のできることを、一つ一つ確実に積み重ねてきたつもりの一年でもありました。
駆け込みで実現したこともありました。
学童保育クラブの子どもたちと一緒に栽培したそばで、12月27日(火)に、地元のそば打ち名人の協力で、子どもたちと “そばパーティ” が実現しました。
昨年栽培で失敗したこともあり、2年越しの思いが実りました。
12月13日のこの場でお知らせした通り、財匠(ざいしょう)で製粉していただいたそば粉で、70人前ほどのそばを打ちました。
子どもたちの笑顔に、自分で種まきをし、刈り取りの手伝いをしたそばを食べるという経験で、格別の充実感を味わってくれていることを感しました。
12月26日(月)に、三豊市市民交流センターで開催された、市内の小・中・高生35校全校の参加による 『第2回 みとよ ヤング サミット』 で、若い新たな力を実感し、新たな年に向けて三豊市は間違いなくよくなることを確信できました。
それでは、よい年をお迎えください。

議員提案の決議案

三豊市議会12月定例会に 「三豊市役所で働く臨時職員の賃金改善を求める決議」 が、7名の議員から提案されました。
無記名投票で採決され、反対多数で否決されました。
私は、7名の提案者と同様に、臨時職員さんはもとより職員さんのすべてと市民の皆さんの幸せを、確固たる意志で守ろうとする者であることを、先ず、申し上げておきます。
その上で、私はこの決議案に反対しました。
「できることならすればよい」 ことや 「ないよりあるほうがよい」 ことは、行政や政治に関わらず私たちの日常生活での当たり前の要望であり、それを実現するには限りある財源をどのように配分するのかに尽きます。
その判断は、社会の良識に委ねられているのだといえます。
私の考える反対理由は次の通りです。
1.すでに議会では行財政改革に着手し、臨時職員のあり方や処遇を抜本的に改革すべく検討しており、議決案は、臨時職員の立場を固定化しようとするものでしかなく、臨時職員の本質的願いが叶えられるものではないこと。
2.歳入の拡大から縮小の時代になって久しいなかで、これまで他市に遜色ない賃金体系に改善してきており、更なる賃金増加改定に当たっては、臨時職員の賃金が実質人件費であることから、限られた予算の中で何らかの行政サービスの縮減がなされなければならず、市民に説明せず決定するわけにはいかないこと。
3.賃金の増額改定は人件費全体の中で調整すべきことが妥当であることから、議会として議決案を認めることは、議会自らの報酬及び定数削減による議会人件費を減額し、臨時職員賃金に当てることの、議会としての合意と覚悟が必要であり、それなくして認めるのは無責任であること。
4.人件費は、3.に加え正規職員の給与を含む総人件費の中で調整されるべきであることから、正規職員は正規職員としての能力を最大に発揮でき、臨時職員が臨時職員としての本来の業務に傾注できるよう、職場の意識改革も含め、行政機構の根本的改革が優先されるべきであること。
5.最後に、この決議案は現代社会における雇用・仕事のあり方に関わる重大な問題であることから、臨時職員だけの問題ではなく、市役所職員すべての公平な雇用・労働環境とするためにこそ、議会は機能すべきであり、この件についてのみ突出した決議をすべきでないこと。
行財政改革の真っ只中にあり、この時点での決議案に対する判断は、市政全体を見極めての慎重審議をすべき議会の姿勢と良識が問われていると考えています。

12月定例会報告・2―②

前回に続いて、12月定例会で審議された一般会計補正予算・歳出と、特別会計補正予算についてお伝えします。
【一般会計 各課別歳出の主なもの】
・総務課 25,399千円
 消防一般費、他
・財政行革課 ▲14,790千円
 三豊中学校交付全配分金 ▲1,738千円
 公債費利子 ▲13,343千円、他
・地域振興課 ▲878千円
 地域振興一般事業 500千円
 コミュニティバス運行事業 ▲1,378千円、他
・バイオマスタウン推進室 724千円
 ごみ処理施設整備事業 475千円、他
・市民課 ▲4,639千円
 戸籍住民基本台帳事業
・税務課 ▲9,980千円
 税徴収一般事業
・環境衛生課 ▲2,166千円
 火葬場管理事業 ▲2,218千円、他
・健康課 63,091千円
 予防接種事業 20,534千円
 子ども医療費助成事業 29,342千円
 国民健康保険事業 8,910千円
 母子家庭医療費支給事業 3,835千円、他
・介護保険課 ▲9,546千円
 介護保険事業特別会計繰出金 ▲9552千円、他
・福祉課 11,109千円
 自立支援医療費給付事業 8,670千円
 障害福祉事業 2,124千円
 地域生活支援事業 429千円、他
・子育て支援課 33,072千円
 三野保育所建設事業 19,978千円
 子ども手当支給事業 5,304千円
 保育所総務管理事業 4,254千円
 児童福祉事業 918千円
 放課後児童クラブ運営事業 836千円、他
・農業振興課 10,237千円
 林業施設災害復旧事業 4,400千円
 オリーブ生産拡大推進事業 2,500千円
 有害鳥獣対策事業 2,500千円
 農業振興対策基金事業 1,000千円、他
・土地改良課 65,420千円
 農地・農業用施設災害復旧事業 43,920千円
 市単独補助土地改良事業 17,000千円
 農道維持管理事業 2,000千円、他
・商工観光課 1,490千円
 商工振興事業 2,658千円
 観光資源管理費 ▲1,439千円、他
・建設課 21,442千円
 市道維持管理事業 46,273千円
 公共土木単独災害復旧費 10,842千円
 公共土木単独災害復旧費 10,600千円
 市管理河川維持事業 5,940千円
 緊急雇用創出基金事業 2,000千円
 市単独道路橋梁新設改良事業 ▲54,213千円、他
・教育総務課 32,585千円
 学校施設耐震化事業 52,283千円
 中学校空調設備整備事業 19,857千円
 幼稚園空調設備整備事業 ▲43,562千円
 教育総務管理事業 5,764千円、他
・学校教育課 15,235千円
 小学校施設管理事業 8,137千円
 中学校施設管理事業 1,728千円
 幼稚園総務管理事業 3,058千円
 小学校総務管理事業 3,318千円
 中学校総務管理事業 1,205千円
 幼稚園運営事業 ▲1,028千円
 小学校運営事業 ▲4,989千円、他
・生涯学習課 6,192千円
 武道館管理事業 1,155千円
 財田町総合運動公園管理事業 938千円
 社会教育団体連絡協議会支援事業 2,132千円、他
【特別会計】
「国民健康保険事業特別会計」
 補正額3億34,610千円の増で、補正後予算額86億47,363千円となります。
「国民健康保険診療所事業特別会計」
 粟島診療所開設に伴う補正額13,616千円の増で、補正後予算総額2億28,737千円となります。
「介護保険事業特別会計」
 補正額▲56,929千円の減で、補正後予算額65億54,033千円となります。
「介護サービス事業特別会計」
 補正額1,193千円の増で、補正後予算額94,796千円となります。
「浄化槽整備推進事業特別会計」
 補正額1,238千円の増で、補正後予算額2億22,238千円となります。
以上、3回にわたっての12月定例会報告を終わります。
 

12月定例会報告・2―①

平成23年度の最終補正となる12月定例会の、一般会計補正予算についてお伝えします。
三豊市の一般会計予算総額は、補正前予算額289億16,960千円に、歳入歳出ともに補正予算額2億43,750千円を追加することで、291億60,710千円となります。
前回に続いての12月定例会報告は、この歳入の主なものについてお知らせします。
【一般会計(歳入)】
・地方特例交付金 ▲26,453千円
・分担金及び負担金 16,370千円
 農地・農業施設災害復旧分担金
・国庫支出金 ▲14,844千円
 安全・安心な学校づくり交付金 ▲48,259千円
 生活保護扶助費 11,114千円
 学校施設環境改善 9,574千円
 土木施設災害復旧、障害者福祉、児童措置、他
・県支出金 62,166千円
 農地・農業施設災害復旧 22,950千円
 子宮頸がん 10,268千円
 地域子育て創生事業 12,855千円
 乳幼児医療 6,003千円
 放課後児童健全育成 4,989千円
 オリーブ生産拡大、障害福祉、林業施設災害復旧、母子家庭等医療費支給、児童虐待防止対 策、他
・寄付金 824千円
・繰入金 1億69,367千円
 財政調整基金 1億70,494千円(23年度末見込み 64億78,614千円)
 仁尾町観光振興基金 ▲1,800千円
 農業振興対策基金、豊中町地域づくり推進基金、他
・諸収入 81,122千円
 三観広域行政組合還付金 79,230千円
 公共事補償金、日本スポーツ振興スポーツセンター給付金、他
・市債 ▲45,000千円
 学校教育施設整備 ▲45,000千円(幼稚園▲1億1,900千円、中学校51,400千円、三 豊中学校5,500千円)
東日本大震災の影響による、学校教育施設の空調施設整備に対する交付金の不確定で、その財源に大きな変更が生じました。
幼稚園と中学校は今年の夏休みに工事を行う予定でしたが、財源が確定していなかったため延期となっていましたが、今回の補正予算の確定で今年度内の整備完了の目途が付くこととなりました。

12月定例会報告・1

平成23年度第4回三豊市議会定例会(12月定例会)が、12月21日(水)に閉会しました。
12月1日(木)の開会初日に可決した、議案第115号 「三豊市国民健康保険診療所条例の一部改正について」(12月3日及び、11月5日付の書き込みの粟島診療所部分をご覧下さい) 以外の、補正予算案を含む29議案と 「人権擁護委員候補者の推薦について」 および請願1件を可決・同意しました。
なお、議員提案された決議案 「三豊市役所で働く臨時職員の賃金の改善を求める決議」 は、反対多数で否決となりました。
市長より提案された議案の内容は、次の通りです。
・議案第113号 「三豊市スポーツ推進審議会条例の制定について」
昭和36年に制定された 『スポーツ振興法』 が 『スポーツ基本法』 に全部改正されたため、 『スポーツ振興審議会条例』 を、全部改正する
・議案第114号 「三豊市税条例の一部改正について」
固定資産評価の不服申し立てが年に1件程度のため、審査委員の数を7人から3人に減員する
・議案第116号 「三豊市高瀬町防災広報無線施設条例の廃止について」
平成24年1月1日より、高瀬町でデジタル防災行政無線の運用が開始されるため、これまでの施設を廃止する
・議案第117号 「三豊市出産祝金条例の廃止について」
子育て支援にかかる産み育てる施策を、より幅広い有効な政策展開とするため廃止する
・議案第118号~126号の9議案
県市町総合事務組合の加盟者数の減少と、規約の一部改正
・議案第127号~135号の9議案
県市町総合事務組合の加入者数の減少に伴う財産処分
・議案第142号 「三豊市税条例の一部改正について」
東日本大震災による災害に対する損失金額を税控除する
補正予算関係は、次回お知らせします。

工場用水道の現状

前回、水道料金統一問題における課題に、工場用水道事業があることをお伝えしました。
これまでに、三豊市議会建設経済常任委員会で示された資料を基に、企業との契約単価と条例単価の差による減収と、利用企業がもたらす経済効果についてお知らせします。
工場用水事業に関係する企業は9社あります。
三豊市の工場用水道の条例単価は90円/tで、内6社は条例単価どおりですがあ、他の3社が企業誘致契約によって、条例単価より安価に設定されています。
このことによる年間の差額は次のようになります。
M社 年間利用金額 約1200万円 に対して ▲約2007万円
K社 年管利用金額 約5800万円 に対して  ▲約730万円 
T社 年間利用金額 約1400万円 に対して  ▲約353万円
となっていて、3社差額合計は ▲約3090万円 となります。
一方、3社の経済効果の貢献度は、
雇用数を約1000人/年として、従業員一人当たりの年収約300万円で、地域経済効果が約30億円/年、税収が約4億円/年
であるとの実績があります。
このような分析から、90円/tとの差額分 約3100万円 を、一般会計から水道事業会計へ繰出して、市民の皆さんにもご理解をいただける水道会計としたいとのことです。

水道料金統一への課題

三豊市が合併誕生して、来年1月1日をもってちょうど6年となります。
新市発足にあわせ、旧7町のうち6町の水道料金は同じにされましたが、豊中町地域については歴史的・地理的ににも全量自己水源による給水が行われており、今もなお別料金単価で据え置かれています。
市内全域の水道料金統一には、 「合併したのだから同一料金は当然だ」 といった原則論だけでは、解決できない課題があります。
様々な要素が絡み合っており、一つ一つその壁を越えていかなくてはなりません。
その一つの課題とは、旧詫間町時代の企業誘致にかかる工場用水料金です。
企業誘致契約の条件単価と条例単価の料金差額による一般用水道へのしわ寄せです。
そもそも、工場用水は汐木浄水場で取水浄水され、専用の管路を通して契約企業へ給水されていました。
しかし、施設の老朽化や塩分濃度問題による稼動停止以降、一般用水と同様の県水100%の水道水が供給されるようになっています。
このことによって、一般用水よりも安価に設定された工場用水による減収分を、一般用水利用者である市民が負担する構図となっているのです。
三豊市水道事業会計の健全な運営のためにも、料金統一の検討を進める渦中で十分な説明がなくてななりません。
市民理解を得るためには、工場用水の現状を示すと伴に、その利用企業の経済効果を検証した情報開示が必要なのです。

そばの収穫 大豊作

今年の夏の猛暑の中、桑山放課後児童クラブ(NPO青空クラブ運営)の子どもたちと一緒に、種まきしたそばが収穫できました。
財田町にある 「農家のそば屋 そば処財匠(ざいしょう)」の主人、山崎隆行さんにお手伝いを願って、12月13日(火)に足踏み脱穀機での脱穀、とおみによる選別を行うことができました。
昨年は、長引く残暑で種まきの時機を逸して9月下旬となったため、花は咲けども実はまばらにしか付かず、大失敗でした。(2011/1/13の書き込んでいます)
今年は、昨年よりも1ヶ月早い夏休み最後の8月31日(水)に種まきをしました。
正直なもので、すくすくと成長して、みごとな花を咲かせしっかりと実を付けていました。
11月14日(月)と16日(水)、そして21日(月)の3日間に分けて、刈り取りをしはぜ掛けしました。
21日の作業は、クラブの子どもたちに刈り取りの体験をしてもらい、大助かりでした・・・?
たしかに数の力はすごい!
キャッ!キャッ!と、にぎやかなうちにみるみる刈り取っていきました。
元気一杯、神事のお払いのようにそばの束を振り回すものもあり(こらこら種が落ちてしまうじゃないか)、どうなることかと思いましたが、1.75aで16.9kg(風袋込み)の収量を得ることができました。
標準は10a当たり100kgといわれていますから、上出来です。
2~3日天日干しした後に、山崎さんに石臼による製粉をしてもらう予定です。
青空クラブのみんなとそば打ちパーティーを、近所のそば打ち自慢のおじさんにお手伝いいただき、ワイワイとやろうと思っています。
アッ!そうそう、昨年からそばの生育具合を何かと心配してくれた(冷やかし?)、桑山公民館の岩本館長も、仲間に混ぜてあげようかな~。

『ぼっこ助産院』 を訪問して

かなり以前のことになってしまいましたが、3週間ほど前の11月20日(日)に、高松市にある 『ぼっこ助産院』 に視察研修に行ってきました。
助産師さんたちが力を合わせて運営している、民間の助産施設です。
中心メンバーである山本文子さんは、若者に対する性教育のお話でも、思い切った発言をする強烈な個性を持った方です。
ここでは出産のみならず、産褥ケアや骨盤ケア、乳房ケア、育児相談など、出産から子育て指導までの、あらゆる活動を行っています。
この助産院を運営しているのが、NPO法人いのちの応援舎で、子育て支援の集いの広場事業や病後時保育も行っています。
また、高齢者デイサービス事業や傾聴ボランティアなどの活動も行っており、出産から高齢者福祉までの事業を幅広く手がけています。
ここでは、私が以前から漠然とイメージしていた、施設やサービスのつながりの形が現実に展開されているのです。
このような施設が三豊市にあったなら、日常の中で悩み苦しむ人たちが、どれほど救われるだろうかと思っていた形がそこにあるのです。
山本さんのお話を直に聞くにつけ、現代社会の産み育てることに対する意識の軽薄さに気付かされ、懺悔にも似た思いがこみ上げてきました。
山本さん自身、時々なんでこんな大変なことを始めたのだろうか、と後悔することがあるそうです。
止めることができるのならば止めたい、とも思うこともあるそうです。
しかし、止めないのは 『ぼっこ助産院』 で産みたいという母親がおり、それを見守る周囲からも、産んでくれてありがとう、産まれてきてくれてありがとうの思いが伝わってくるからだといいます。
まさにマンパワーであり、人の意思のなせることなのです。
また、こんなこともおっしゃっていました。
「自信を持って助産院ができるのは、香川大学医学部病院の先生方の親身の支援があるからです。緊急の場合にすぐに対応していただける、強い協力関係にあるからです。これが助産院の最大のリスク回避となり、妊婦さんにとっても安心して希望の出産に臨めるのです。助産院と嘱託医療機関の関係が最も難しく、この連携協力関係の支援調整は行政が関わらなければ困難ですよ。」
とのことでした。
女性が自らのいのちをかけた、いのちを産むという行為に対して、出産の方法を女性自らが選べないような現代の出産環境は異常であり、実は、そのこと自体がいのちに対する意識の鈍感さや軽薄さにつながっているのではないか・・・・・
現代日本社会の混迷は、いのちがうまれることの尊厳に思いをめぐらす機会のない日常に、起因しているのではないだろうか、との思いが私の中で強くなっています。
産み方の選択が普通にできる社会にしたいと考えています。
『玄牝』 上映会と、 『ぼっこ助産院』 が私に気付きを与えてくれています。 

ライフワーク

この前の日曜日にあった 『玄牝ーげんぴん』 上映会で私が強く感じたことは、これはライフワークになるということです。
今の社会が 「いのちを産む」 という行為に対して、あまりにも鈍感で軽薄になっているのではないかということです。
そもそも妊婦さんは病人ではありませんし、医療機関でなければ出産できないということでもありません。
今の出産のあり方がすべてだという固定観念ではなく、色んなかたちがあることのほうが自然なのではないかということです。
言うまでも無く、医療が無かった時代から、女性は太陽として連綿といのちをかけて子どもを産み続けてきました。
もちろん、すべての出産がうまくいったわけではなく、かなりの割合で不幸な出来事が発生したのは確かです。
しかし、現代は医療技術も驚異的に進歩し、その危機は極端に減少しています。
一方で、産科医の責任は過酷なものがあり、産科医師のなりてがいないという状態になっています。
今こそ、いのちを産むという行為に対して、医療の価値と役割を再確認するときではないかと思います。
危険が予測される出産にこそ医師は大きな力を発揮し、母子のいのちを守る役割を担ってくれるのです。
また、支障がないと診断された出産は、医療施設を使うまでもなく、例えば助産院や助産師さんのサポートによる出産を、選択できるなればよいのではないかと思うわけです。
万が一の非常事態のために、医療機関との間での緊急連携協定はなくてななりませんが、このような取り組みが可能ならば、現状、過度な労働とリスクに日々さらされている産科医の負担は、大幅に改善されるのではないかと期待できます。
また、妊婦さん側からすれば、お産は病院でするものという固定された考えから開放され、出産の方法を自分の意思で選択できるという可能性が広がります。
整った機器とサービスの病院の分娩台での出産や、所産院や助産師の手による家庭的な雰囲気のなかで、畳に敷いた布団の上での出産など、自らの思いや胎教に応じて、女性がいのちをかけた、いのちを産む行為の方法を自らが選択できるのです。
こんなことが普通にある社会をつくるために、私は生きたいと思っています。