経済対策の臨時議会

臨時議会が7月30日(木)に開かれ、上程された4議案すべてが全会一致で可決されました。
その議案の内容は次の通りです。
【議案第87号】
デジタル防災行政無線施設(固定系)整備工事
一般競争入札の結果、(株)富士通ゼネラル四国支店が7億8千万円足らずで落札し、工期は平成24年2月29日まで。
【議案第88号】
詫間中学校屋内運動場建築及び太陽光発電工事
一般競争入札の結果、小竹興業(株)が4億9千万円余で落札し、工期は平成22年3月23日まで。
【議案第89号】
平成21年度三豊市一般会計補正予算
今回の補正予算は、1,831,568千円で補正後の予算額は27,885,379千円となります。
*歳入予算の内訳は、地域活性化・経済危機対策臨時交付金を主なものとする、国庫支出金12億5千万円弱が多くを占めています。
他、繰入金として、財政調整基金を5億8千万円弱計上しています。(21年度末見込み 48億円余)
*歳出の各課別内訳は、
・総務課
消防車両17,772千円、連絡配水管敷設工事67,000千円、渇水対策事業130,718千円などで、2億1千5百万円強
・人事課
職員採用試験委託料で2,100千円
・管財課
高瀬農村環境改善センター改修事業182,260千円、低公害車公用車更新事業10,773千円などで、1億9千3百万円余
・政策課
宝山湖いきいき健康にぎわい事業(防犯灯、看板設置)30,041千円、知的財産戦略的コンサルティング事業10,200千円で、4千万円余
・地域振興課
コミュニティバス購入事業5,216千円
・健康課
健康増進事業(女性特有のがん対策事業)10,762千円
・子育て支援課
放課後児童クラブ施設耐震診断事業3,608千円、保育所地上デジタル化対応事業2,000千円、母子自立支援事業7,077千円などで、1千5百万円余
・農業振興課
農道維持管理事業123,400千円、林道維持管理事業23,520千円などで、1億7千6百万円余
・商工観光課
朝日山森林公園遊具点検整備事業2,800千円、三野児童公園遊具整備事業他で、4百万円強
・建設課
市道維持管理事業530,513千円、市管理河川維持管理事業37,540千円他で、5億7千万円強
・港湾水産課
仁尾港クレーン設備整備事業で121,000千円
・教育総務課
AED施設事業6,321千円、小学校施設耐震化推進事業282,174千円、幼稚園施設耐震化推進事業25,349千円で、3億1千5百万円足らず
・学校教育課
学校情報通信技術環境整備事業(幼・小・中)で148,626千円
・生涯学習課
高瀬町公民館勝間分館トイレ改修事業5,485千円、生涯学習施設地上デジタル化対応事業2,600千円他で、1千3百万円余
【議案第90号】
平成21年度三豊市水道事業会計補正予算
補正額は193,400千円で、補正後の予算額は2,523,694千円となります。
一般会計からの繰入金を主たる財源として、水源確保などの渇水対策事業がすべてとなっています。
世界的な経済危機にあって、国からの予算措置としての地域活性化・経済危機対策臨時交付金、安心安全な学校づくり交付金、学校情報通信技術環境整備事業補助金などを、今考えられる予算配分としています。

比地大地区子ども会七夕祭りと花火

今朝は、梅雨時とは思えない激しい雨音で目が覚めてしまいました。
昨夜の、帰来昭和会の納涼大会で、遅くまで飲んで騒いで後片付けをしていて、疲れているはずなのに思いのほか爽やかな朝でした。
7月26日(日)は、毎年の行事となっていて地域の風物詩とも言える、「比地大地区子ども会七夕祭り」と、「比地大地区打ち上げ花火」が開催される予定となって、子どものようにそれが嬉しかったのでしょうか。
ところがこの雨です。
そのときは、七夕祭りは体育館で行う予定と聞いていたのですが、打ち上げ花火はできるのかどうか心配でした。
子ども会行事の七夕祭りは、今年で41回を数えており、これほどの長期間にわたり継続しているなんて、他ではまねのできない地域力の証であり、すばらしいことです。
夕方からの開会で、比地大小学校の子どもたちが、自治会子ども会ごとに練習をつんだスタンツを行っていました。
どの子ども会も、アイデアを出し合った連帯感のある元気な発表ができていました。
そのおかげでしょうか、打ち上げ花火のころには絶好の花火日和(夜はこうは言わないか?)、天候となっていて、子どもたちのエネルギーのすごいこと!!
今年で21回目となる打ち上げ花火は、これまでにないような驚きのパフォーマンスだったように私には感じられました。
不景気の影響でよその花火大会の中止のために、大分おまけしていただけたのでしょうか。
いやいやそんなことを言っては失礼というものですね。
きっと、比地大地区の皆さんの情熱に応えた、花火師さんたちの心意気なのです。
子どもたちの力一杯のスタンツと、夏の風物詩の代表格である「花火」のパフォーマンスのエネルギーに、感動して終えた夏の日の一日でした。

地域資源としての地元企業・13

観音寺市から海沿いの道を進むと仁尾町に入り、すぐに父母ヶ浜を背景にした、南欧風の白い建物が目に飛び込んできます。
それが、今回お伺いした (有)プリマーレはやしや です。
本年度から三豊市商工会の会長に就任されたお父様の、後継経営者となる常務の林達二さん(34歳)にお話をお聞きしました。
達二さんは、宮城県の有名な結婚式場での2年間の修業の後、帰郷して現在に至り9年になるます。
『プリマーレはやしや』がこの地にあるのは、達二さんのおばあさんが仁尾町街で宴会場として営んでいた『はやしや』を、昭和50年頃に現社長であるお父さんが、これからの時代に相応しい結婚式場としても営業できる会館として、新装開業したものです。
“プリマーレ”とは、イタリア語で“最高の海”という意味があり、まさに、この命名に相応しいロケーションにあり、この地を新たな事業展開の拠点に選んだお父さんの、思いの結晶のようです。
現在の三豊観音寺地域の婚礼市場は、宇多津・高松方面に流れていることや、顧客対象者の5割が、従来のような華やかな披露宴を行わないなどが重なり低迷しています。
しかし、このような苦境にあっても、地元の同業者と共に新しい華燭の典の仕掛けを模索するために、勉強会に積極的に参加すると共に、「この仁尾のまちが好き」を営業展開の基本として、この仁尾のまちならではの特性を活かしたサービスの開発に知恵を絞っています。
そして、今流出している顧客を取り戻すことと合わせて、これまでとは逆に高松やその他地域から顧客を引き込もうと目標を定めています。
「お客様に喜んでいただくサービスは、スタッフの幸せあって始めて提供できる」を信条に、若いスタッフの皆さんと、その一員である奥さんと共に“心の経営”の実践に勉強の日々です。
帰り際に、同行している久保田さん(観音寺市の久保田写真館店主)の向けるカメラに納まった、達二さんと奥さん、そしてスタッフの皆さんの表情のさりげない自然さに、新たな『プリマーレはやしや』の可能性が垣間見えたように感じたのでした。
さまざまな企業や経営者が常に追い求めている、形の見えにくい「サービス」という形とは何なのかを考えさせられた訪問でした。
人生の節目となる、その人に相応しい『プリマーレはやしや』ならではの“ハレの舞台”のサービス”を確立することを期待しています。
奥さんが出してくださったアイスコーヒー、本当においしかったです。
忙しいところ時間を割いていただいた皆さん、ありがとうございました。

6月議会の一般質問報告・3

3回シリーズでお届けしている「6月議会の一般質問報告」の最終回です。
3件目は 『太陽光発電システム導入の補助金制度について』 の報告です。
【質問】
地球環境及びエネルギー資源問題に端を発し、自然エネルギーや新エネルギーへの取り組みが世界的に推進されています。
太陽光発電システムは、太陽電池メーカー各社が大幅増産のための設備投資を行っており、国としても純国産のエネルギー源であり、日本の経済成長の新エンジンと期待しているといいます。
また、経済成長戦略の柱としても、太陽光発電システムに対する期待も大きくなっています。
民間住宅、家庭用太陽光発電システム導入に対する国の補助金制度の復活で、再び脚光が当てられており、市民の関心も強く、市の補助金制度創設の要望が多く寄せられています。
民間住宅、家庭用太陽光発電システム導入の、市の補助金制度創設の考えを問います。
【答弁】
政府の低炭素社会づくり行動計画では、日本の太陽光発電世界一の座を再び獲得することを目指し、太陽光発電導入量を2020年に10倍、2030年には40倍とすることを目標にしています。
三豊市でも、本年度からバイオマスタウン構想によるまちづくりに取り組むこととしており、竹資源を中心として、さまざまな市内のバイオマス資源を利活用した事業化を目指しています。
太陽光はバイオマスではありませんが、自然から得られるクリーンエネルギーであり、市のまちづくりの方向性とも合致するため、バイオマスタウン構想とあわせて検討したいと考えています。
太陽光発電の普及は、政策として検討する時期は来ていると考えています。
三豊市独自の補助制度の創設は、前向きに検討し、平成22年度(来年度)当初には遅くとも開始できるよう、準備を進めてゆきます。
以上で3回にわたった報告を終わります。

6月議会の一般質問報告・2

前回に引き続き、6月議会の一般質問の2件目の報告です。
『放課後児童クラブ(学童保育クラブ)の現状と方針について』 をお届けします。
【質問】
保護者が共働きや一人親家庭の子どもたちの放課後の安心、安全な生活環境確保のために設立された放課後児童クラブは、保護者にとっても子どもたちにとっても欠くことのできない施設です。
市が本年4月1日から市内全域に設けた放課後児童クラブには、公設公営と公設民営があります。
市の目指す運営形態の方針は公設民営とありますが、ほとんどが公設公営のスタートとなっています。
設置運営者としての市の認識する現状の問題点、
特に、指導員の人材確保、保育・教育の明確な方針、設置運営者としての市の経営体制、について問います。
【答弁】
これまでの旧町間での運営上の差異や不均衡を改正し、統一を図るとともに、保護者の負担を軽減する改定を行いました。
20ヶ所で実施しており、登録児童数も平成20年度461人であったのが、現在624人と、大幅に増加しています。
現在80人ほどの指導員がおりますが、長期休暇を控え指導員不足が懸念されています。
指導員は有資格者や経験者が望ましいいのですが、広く人材確保に努めます。
良質な保育を提供するために、指導員を対象とした研修会の開催や、クラブ間の交流に取り組み、保育資質の向上に努めます。
また、指導水準の均一化と指導員の不安解消を図るため、指導マニュアルの作成と循環指導員の配置を検討します。
現在公設公営、公設民営の2形態で運営していますが、行革推進プランでは、将来的に公設民営化が打ち出されています。
今後は、地域の実情、保護者のニーズや利便性を考慮し、公共施設だけではなく、民間施設も有効に活用して、健全な放課後児童クラブの運営に努めます。
経営体制の強化については、運営形態がいかなる形であっても、市が事業主体であることには代わりません。
“子育てするなら三豊が一番” に相応しい放課後児童クラブ事業とするために、クラブに積極的に訪問して強力に指導を行ってゆくとともに、民間の力もかりて三豊市の子育てをトータルに支援してゆきます。

6月議会の一般質問報告・1

梅雨明けはまだのようですが、既に夏真っ盛りの猛暑?となっています。
忘れたのを思い出したように、雨が時折降ってはいますがまだまだ水不足の解消にはいたっておらず、今年の夏も渇水の危機が付きまといます。
私は、ここのところ早朝の田んぼの水引で少々寝不足気味となっていて、昼食後はついつい昼寝をしてしまい、NHK朝の連ドラ「つばさ」の再放送を見逃してしまい、情けない思いをしています。
これも原因は、水不足のせいなのだと、まぶしく輝く空に向かって 「雨を降らせることができるものならやってみろ!」 とばかりに、八つ当たりをしているのです。
そんなこんなで、6月議会の一般質問の報告が遅くなっていました。
今回から3回シリーズでお届けします。
1回目は、 『公共施設の使用料徴収基準統一について』 です。
【質問】
三豊市となった初年度の平成18年に、教育委員会が管理運営する公共施設(主にスポーツ、生涯学習関係)の、使用料格差是正と使用料徴収基準統一の提案がありました。
しかし、市民が使用する公共施設は、教育委員会関係だけではなく、他の所管部局及び課に複数にわたっており、管理運営方針を是正統一するなら、市行政機構全体で行うべきとして、先送りすることとなっていました。
ところが、本年四月から建設経済部商工観光課管理の施設の1ヶ所だけで、これまで使用料免除だった利用者から徴収している事件が発生しています。
市民にとっては、行政の縦割りに関係なく、市の公共施設であることには変わりありません。
市民が同じ目的で使用する場合、公共施設の市行政機構全体での使用料格差是正と、使用料徴収基準の統一がされているのでしょうか。
また、市全体の公共施設で実施されているのでしょうか。
【答弁】
市内のほとんどの施設が旧町時代に定められた使用料により、現在も運営されています。
合併協議会では、当分の間現行どうりとし、新市において調整するとありました。
料金統一の問題は、合併後に引き継いだ非常に大きな問題点ですが、三豊市の一体化を醸成するためにも、解決しなければなりません。
市長、副市長以下、市の行政機構あげて取り組みます。
また、豊中町にある施設(不動の滝コミュニティセンター)だけで、使用料徴収基準が変更されているのは、十分な配慮がされておらず、特に慎重を期すべきであり、問題があったと認識しています。
不利益を被った市民の皆さんには深くお詫び申し上げるとともに、使用条件を変更前に戻し、4月以降に徴収した使用料金は返却の方向で検討します。

人育て と “菜の花プロジェクト”

先般の 「男女共同参画」 講演会での四国学院教授 大山治彦さんのお話の中にあった、
「子育ては、どのような時代、地域でも、母親だけではできませんでした。
国民的規模で、女性が家庭に入ったのは(専業主婦になったのは)、戦後のことです。
科学的に分かっていること、大切なことは、<少数の保育者が、愛をもって育てることが必要>と言うことです。」
の言葉をずっと考えていました。
7月10日(金)に、青少年育成財田町民会議の総会の前に、青少年育成アドバイザーとしてお話をする時間を頂きました。
今求められる子育てについて、改めて考えることとなりました。
社会構造の激変による核家族化で、家族関係や家庭の中身が変化してしまいました。
そのことで、求められる “人育て” や “子育て支援” も、形を変えることが求められてきました。
本来の意味と異なる家族や家庭に、従来の家族や家庭の幻想を押し付けてきたことに対する、社会の歪みが、昨今の事件に噴出しているような気がしてなりません。
家族という集団社会が崩壊した今、子どもたちが一般社会へ出てゆく前の集団生活や体験活動をどこで経験すればよいのでしょうか。
もともと、共働き家庭の保護者の就労支援であった 「放課後児童クラブ」 などは、家族という集団社会に身をおくことなく育つ子どもたちに対して、集団生活の場を提供する役割を担う結果となっています。
青少年の健全育成には、集団による体験活動が重要だといわれており、本年から “三豊市子ども会育成連絡協議会” のお世話をすることとなった私にとって、子ども会活動に集団による体験活動の具体的な事業計画をしたいと考えていました。
財田町民会議の皆さんからのお誘いをきっかけに、循環型社会を目指す三豊市で今繰り広げられている、 『三豊菜の花プロジェクト』 との連携による野外体験活動を進めようと思いついたのでした。
“子ども会” と 『プロジェクト』 とのウインウインの関係で、三豊市のすべての子どもたちに 集団・体験・環境・資源・ゴミ・農業・食・・・・・などの、色んな経験をして欲しいと思っています。
総会前の30分間という大切なお時間をいただいた上に、こんな閃きの機会を与えて下さった、青少年育成財田町民会議の山下会長はじめ会員の皆さんには心からお礼申し上げます。
人育て と “菜の花プロジェクト” を一緒に進めてゆきませんか?

教育民生常任委員会 視察研修・3

教育民生常任委員会の視察研修最終日の7月2日(木)は、岐阜県各務原市(かかみがはらし)の、斬新なデザインで話題の火葬場、“瞑想の森 市営斎場” を訪問しました。
各務原市は、昭和40年に大規模住宅団地が造成され、名古屋地域のベッドタウンとして人口が急増してきました。
市の中央部に航空自衛隊岐阜基地があり、航空機、自動車などの輸送用機械関連産業を中心に製造業が発展し、平成16年に近隣町と合併することで、現在人口150,000人を超えるまちとなっています。
“瞑想の森 市営斎場” は、旧火葬場の炉の老朽化で、10年に及ぶ補修しながらの使用が続けられる中、平成15年度新火葬場建設の基本構想の作成業務が始められました。
総事業費 13億円を費やし、平成16年度 仮設道路、造成、建物設計、そして平成17・18年度 建物工事と進められ、平成18年6月に竣工しています。
人体炉5基、動物炉1期を備え、友引と元旦を休業日として、人体は1日最大10体、年間1,150件ほどに対処しています。
建設にあたり、市の方針として、市民生活として必要不可欠な施設であるにもかかわらず、一般的に迷惑施設といわれるゴミ焼却施設同様に、火葬場といえども他のどこにもない市民に身近に感じてもらえる、独創性のある施設にしたいとの考えがありました。
環境デザイン全体をプランナーに依頼し、隣接する市営墓地と一体とする 「静けさと自然に帰る」 を基本理念とした公園墓地 “瞑想の森” とすることとしました。
その中心施設として火葬場が位置づけられ、このコンセプトをデザインという形にしたのが、2006年に王位英国建築家協会のロイヤルゴールドメダるを受賞した、伊東豊雄氏でした。
真っ白な雲をイメージしたような曲線を生かした自由曲面シェル構造となっていて、蓮の浮かぶ池から臨む光景は、周囲の樹木と調和し、まるで美術館かレストランのようです。
まさに、 “瞑想の森”であり「静けさと自然に帰る」心に潤いをよびもどす、心洗われる自然空間に他ありません。
施設内は間接照明で照らされ、ロビーは教会のようでもあり、コンサート会場としても利用されています。
財政的な問題は最重要ですが、これまでの行政の考える火葬場などは、ともすれば機能追求、コスト最優先で責任を果たしたと考えるところがあります。
経済環境が苛酷であればなおのこと、社会通念として忌み嫌われる迷惑施設(ゴミ処理施設や火葬場など)であるほどに、今生きる人にとって必要不可欠な ”よりどころ” であることを、いかに施策に反映させるのかが求められているのだといえます。
私たち自身も気づいていない隠れた欲求を、感じ取る柔軟な思考と想像力の大切さを感じた、視察研修となりました。
以上で、今回の視察研修報告を終わります。

教育民生常任委員会 視察研修・2

教育民生常任委員会の視察研修2日目は、岐阜県中津川市での 『自治体病院について』 の研修でした。
中津川市は、明治、昭和と幾多の町村合併を経て、とりわけ平成17年の平成の大合併では、全国唯一の越県合併を実現するなど、坂下町など計7町村を合併し、現在人口 84,000人余、面積676.38km2の広大な農山村地域を含む田園工業都市となっています。
中津川市には、「総合病院 中津川市民病院」と「国民健康保険 坂下病院」の2つの市立病院があります。
両市立病院は、相互の特性と独自性を活かした連携で、市民のみならず長野県木曽郡南部と東濃医療圏の東部地域の医療を担っています。
2つの市立病院の経営内容については、
「市民病院」は、急性期多機能病棟増設などによる30億円を超える設備投資で、又、「坂下病院」も新病院建設投資が大きく赤字決算が続いています。
このため、62億円の繰越欠損金を抱えることとなっていて、これに対して、平成19年度一般会計から7億円を繰り入れています。
これにあわせ、両病院の経営改善に向けた 「改革プラン」 策定が行われるとともに、「中津川市地域保健医療計画」 を策定し、地域の保険、医療、介護、福祉の活動の充実が確認されています。
「中津川市地域保健医療計画」 における両病院の位置づけは、医療機関の機能分担と地域連携に基づく医療連携の推進が有効だとする中で、それぞれの役割分担を明確にし、協力連携することです。
一般会計負担の考えとして、地方公営企業である 『自治体病院』 は、地域住民の健康を守るために採算性だけを求めることはできません。
そのため、改革プランの達成状況の評価によって、一般会計からの繰出し金を病院経営状況を見ながら調整してゆこうとしています。
この視察研修で特に感じたことは、医療機関の役割分担と連携は当然のこととして、地域医療の基本は医師と看護師などの医療現場従事者のマンパワー確保につきると言うことです。
名古屋大学との強いつながりで医師の派遣を受けています。
更に、医師、看護師確保のための政策として、奨学金制度を持っており人材確保に効果をあげています。
三豊市に目を向ければ、「医師が来てくれない。看護師が集まらない」 と嘆くだけではなく、地域医療に携わる人材を自前で育成して、ふるさとに帰ってきて貢献してくれるような、奨学金制度の創設も一つの政策になると再確認したのです。

教育民生常任委員会 視察研修・1

6月30日(火)~7月2日(木)の3日間の日程で、教育民生常任委員会の視察研修に参加しました。
訪問先は岐阜県の3市で、初日は 『学校給食センターについて』 で可児市(かにし)、2日目は 『自治体病院について』 で中津川市、そして最終日は 『市営斎場の建設について』 で各務原市(かかみがはらし)での研修を行いました。
6月30日(火)の可児市では、学校給食センターの運営管理や食育の取り組みなどについて研修を行いました。
可児市は現在人口102,000人余で、これまでの30年余の間に名古屋市のベッドタウンとして、又、田園工業都市として発展してきました。
その結果、財政は自主財源比率71.9パーセント、財政力指数0.968という地方交付税不交付団体目前のすばらしい財務体質となっています。
可児市学校給食センターは旧のセンター老朽化に伴い、平成14年頃から建設構想の検討が始められました。
建設計画を進めるにあたり、事業方式の検討から始まりました。
民間資金を活用した、PFI(プライベート・フィナンシャル・イニシアチブ)の導入の可能性を検討するために、コンサルタント会社に調査委託を行いました。
調査結果は、BOT方式(ビルド・オペレート・トランスファー)の方が、BTO方式よりもVFM(ヴァリュー・フォー・マネー)があるというものでした。
この調査結果を受けて、従来方式の市財政投入型か民間資金活用のPFI方式か、それとも業務委託方式(公設民営)であるのかの、基本的な経営形態の選択のために、多くの要因からの検討を進めてきました。
① 初期投資額
② VFMの考察
③ 調理員の雇用の問題
④ 衛生指導が間接となること
⑤ 献立作成と食材納入
⑥ 国庫補助と起債
⑦ 長期経済や企業リスク
⑧ 施設の維持管理
⑨ 給食費
⑩ 建設や運営が複雑で未経験
⑪ 先進自治体での実績がないこと
などでした。
検討の結果、事業方式をPFI方式のBTO方式(ビルド・トランスファー・オペレート)とし、財務効果よりも検討項目の③④⑤を重要なこととして、調理業務は従来通り市が行うこととしました。
事業方式や施設計画、建築の過程を経て、1日当たり10,000食を提供できる能力を備えた、可児市学校給食センターとして平成19年9月より稼動しています。
現在は、小学校11校、中学校5校の計16校の9,300食を日々提供しています。
当施設完成に伴い、アルマイト食器から高強化磁器食器に変えることにより食事環境を整えるとあわせ、文部科学省の基準に対応したドライシステムで安心安全な給食の提供と、料理教室などの研修室を備えた食育の推進に相応しい施設となっています。
PFI特定事業契約は、設計建築の2年間を含む15年間で26億6,363万円となっていて、平成31年度が事業終了となっています。
当市の説明していただいた職員さんの言葉の最後に、「早既に10年もしないうちに次なる施設経営形態の検討が迫られる」との言葉は、安心安全な給食の提供と職場環境からも、現在の三豊市学校給食センター施設の実状は “論外” の感を強くしたのでした。