会派視察研修報告・3

会派視察研修報告の最後となる3件目は、島根県邑南町(おおなんちょう)における定住促進の取り組みです。子育て支援の充実や食にこだわった産業おこしで、地域の活性化に成果を上げています。

邑南町は、平成16年に石見町、瑞穂町、羽須美町が合併し誕生した、面積419.22㎢、人口約11500人余の農林業を主な産業とするまちです。先に研修報告した2件の訪問先同様中国山地にあり、島根県の中央部の世界遺産石見銀山の南に位置する山間部にあります。近年、自動車道整備によって広島経由で都市部との交通の便が良好となり、交流が活発になっています。

「邑南町における定住促進対策・日本一の子育て村の取り組みについて」 の研修を行いました。

 

邑南町のまちづくりの理念は 『持続可能なまち』 を目指すことだ。「日本一の子育て村構想」 を立ち上げ取り組んでいる。このまちも全国の地方同様、人口は右肩下がりだ。それを少しでも緩やかにしたい。平成23年度に 『攻めと守りの定住プロジェクト』 で、制度として取り組み始めた。 ①‟攻め”のA級グルメ構想(5年間) ②‟守り”の日本一の子育て村を目指して(10年間) ③徹底した移住者ケア の3本柱だ。

目標を0~18歳人口の増加・定住とし、その人口目標を平成22年:1,660人であるところを、平成28年:1,700人に、平成33年:1,800人とすることとした。そのために、「日本一の子育て村を目指して ~子育てするなら邑南町で~」を掲げることで、若者定住施策を充実させた。

医療、保健、福祉、教育、就労、定住支援、生活環境、生活情報、結婚等、の各分野で徹底的に事業化した。すべてを網羅して 【日本一の子育てに関するガイドブック】 として、誰にも分るようにまとめている。(概略版は全戸に配布、詳細版は希望者に配布) *資料は概略版

これまでの取り組みによる人口動態の推計は、合併10年目で初めて自然減を社会増が上回って、20人増となった。子育てしやすい環境は整ってきており、定住者数は平成22年:22人(内子ども3人)、平成23年:30人(4人)、平成24年:42人(7人)、平成25年:56人(10人)の実績となっている。たが、まだ出生率は上がっていない現状で、今後の課題だ。

これまでの取り組みで 「日本一の子育て村構想」 が目指す理念である、『地域で子育て 未来を創る みんなが笑顔で暮らせるまち』 の更なる実践が効果を上げることを確認できた。

徹底した移住者ケアは、日本一の子育て村推進本部を中心に、定住支援コーディネーターと定住促進支援員の連携で、UIターン者や定住者の声をくみ上げ反映している。新規施策として、子育て支援ポイント付与制度(さくらカード)を始めた。子育てサービスを利用するだけでポイントが貯まり、町内のお店で買い物に利用できるというものだ。たとえば、4か月検診を受けると20ポイント(夫婦で行くと40ポイント)もらえ、他の健診や子育てサロンに行くことでもポイント付与される。また、出生を祝うアルバムプレゼントや赤ちゃん誕生のお知らせ、地元キャラクター使用のベビー・イン・カーのシールなどを取り入れた。

‟攻め”のA級グルメ構想と連携した、行政と民間の協働による婚活イベントを活発に行っている。

これからも、様々な新しい事業や企画で 「日本一の子育て村」 に挑戦し続けていく。

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今回の研修テーマは、定住対策と子育て支援の取り組みであったため、‟攻め”のA級グルメ構想にはほとんど触れていませんが、「香木の森公園」を核とした食材の本当の美味しさ・魅力を伝えるA級グルメ発信拠点の取り組みや、「ハーブを利用した人と環境にやさしいこだわり米 特別栽培米『石見高原ハーブ米』」の取り組みも、大変興味深いものでした。このテーマだけでも再度研修に訪れたいものです。邑南町の攻めと守りの定住プロジェクトを起点とした 「日本一の子育て村構想と定住促進」 は、【日本一の子育てに関するガイドブック】 に収められたこれでもかといった施策の数々でできています。今回研修で学んだ邑南町の事業を、先ずは三豊市において取り入れるのも一つの手だと考えています。邑南町の研修は勿論のこと、いづれの研修も有意義なものでした。これからの活動に活かしていかなくてはなりません。

以上で、3回にわたる会派視察研修報告を終わります。

会派視察研修報告・2

会派の視察研修報告の2件目は、鳥取県八頭町(やずちょう)での 『八頭町のバイケミ(バイオケミストリー)農法について』 です。

八頭町は鳥取市の南に位置し、平成17年3月に郡家町(こうげちょう)、船岡町(ふなおかちょう)、八東町(はっとうちょう)が合併し誕生した、人口20,000人ほどのまちです。西条柿や花御所柿、二十世紀梨、りんご、ぶどうなど、フルーツの里そして全国に情報発信しています。八頭町のバイケミ農法は、日本古来からこの国の気候や風土に適した農法を基本にして、竹を肥料にして高い食味値の米や、鮮度や糖度、低硝酸値の野菜の栽培を目指すものです。

八頭町バイケミ農法研究会の取り組みの研修を行いました。

 

戦後、広く行われてきた肥料を土に深くすきこむ農法は、乾燥した気候風土のアメリカでは効果的なもので、それをそのまま雨の多い日本に取り入れたものだ。竹パウダーを肥料とする稲作は、生(なま)の肥料を表面で堆肥化させる表面施肥(上肥え)で、代掻き後、生の肥料として竹パウダーを散布し、直後に田植えをする。理想は田植え後に散布するのが良いと考えている。”おいしさ” は、横に張る横根の成長でうまれるもので、土深く伸びる直根は植物自身を支えるための根で、”おいしさ” には関係ない。八頭町では、孟宗竹パウダーを使用している。竹は稲と同様に草系植物であるため、炭素分解周期が稲の収穫期間に合致しているため、優れた生(なま)の肥料だ。

竹を肥料にしたバイケミ農法の効果は、  米:食味値が八頭町役場所有のサタケ米粒食味計RCTA11Aの計測で、90以上が90%以上  野菜:鮮度の日持ちが良く、高品質で高食味、高糖度(大根で9度)、低硝酸値

課題は、 ●多量の竹パウダーを作りにも、散布にも機械設備が必要で、多額の投資が伴うため、機械の所有・管理の体制整備が必要。 ●豊かな土壌づくりのためには、生産物の収穫以上の繊維の多い有機物を入れることが必要。一時的に多量投入すると、腐植には土壌中の窒素を吸収し、作物が窒素飢餓を起こすため、作物のために降るのではなく腐植促進のため、腐植に要する量の窒素を有機物に散布する必要がある。 ●竹パウダーの腐植は、土の表面の方が早いため、土壌表面に散布し竹パウダーを土の中にすきこまない。なぜなら、土中では腐植が進みにくく腐敗し有毒ガスが発生し、作物の根に障害が出ることで、連作障害の原因となる。

今後の展望として、 ●竹パウダーを使う農法は、日本古来の農法だ。現代農業として経営できるようにしたい。 ●和食も世界に周知される時代だ。世界から信頼される農家となり、心のこもったものを作れば、勝ち残れるはずだ。 ●野菜の硝酸イオンは、EUでは制限値が制定されているが、日本はない。日本古来の農法で、EUの制限の半分に減らすことが可能だ。

竹を肥料にしたバイケミ農法で栽培した米の収穫量及び売価の目標は、10a当たり600㎏で5,000円/㎏だ。この量とこの単価はまだまだの段階だが、1パック450g(3合袋)を900円でギフト市場の開拓を目指している。農家は 「土づくりではなく、作物づくりだ。量なのか質なのか。」 自らの農業経営の方針を明確にして、辛抱強くバイケミ農法に取り組んでいる。

 

説明して下さった バイケミ農法研究会 副代表の中嶋繁夫さんのバイケミ農法米は、八頭町の学校給食に出荷しています。子どもの味覚は幼少期に決まるためです。また、同席されたぶどう農家の会員さんのつくるぶどうは、竹チップを施肥したことで病気や害虫が少なくなったうえに、生食用は糖度20度となっているとのことです。直売所へ出荷するとともに町内の保育所で使用されています。地域とともに生き、地域とともに進化する農業の在り方の一例を学ぶことができました。我が家の稲作とぶどう栽培にも取り入れてみたいと思います。先ずは、実践です。

八頭町バイケミ農法研究会の皆さん、研修の段取りをつけていただいた町役場の職員さん、お世話になりました。ありがとうございました。

会派視察研修報告・1

三豊市議会の第1会派である 啓明会 の視察研修に平成27年1月20日(火)~22日(木)の3日間参加しました。訪問先は、中国山地の山間部にあり、それぞれの地域の特性を生かしたまちづくりに取り組んでいる、3つの自治体です。

一件目の研修は西粟倉村(にしあわくらそん)で、岡山県の北東部に位置し、北は鳥取県に、東は兵庫県に接した、人口1,500人ほどの林業の村です。三セクの智頭急行で大阪へ2時間、東京も日帰り出張が可能なため、都市との交流ができるところにあります。面積は57.93㎢で、内95%を森林が占めています。その内85%が人工林です。これを地域唯一の資源ととらえ 【百年の森林(もり)構想】 を掲げ、森林から始まる村づくりの 【百年の森林事業】 の挑戦が続いています。このことが結果として、若者の定住に成果を上げているのようです。

 

【百年の森林構想】 とは、「約50年生にまで育った森林の管理をここで諦めず、村ぐるみであと50年がんばろう。そして美しい百年の森林に囲まれた上質な田舎を実現していこう」 「森林事業は心と心をつなぎ価値を生み出していく『心産業』、村の資源である森林から産業を、そして仕事を生み出していこう。」 というものだ。

2009年に、私有林を対象とした西粟倉村森林管理運営に関する基本合意書の締結が行われ、村(役場)が森林を守る 【百年の森林事業】 がスタートした。【百年の森林事業】 には、<百年の森林創造事業> と <森の学校事業> がある。

<百年の森林創造事業>(川上の事業) とは、西粟倉村の森林総面積5,400㏊の内個人所有の私有林約3,000㏊を管理し、生物が豊かで、美しく安全な森林づくりが目的だ。そのための基本的方策として、①集約化による森林整備(面積の小さい森林を大きなまとまりにし、効率化する) ②長期施業管理に関する契約(森林を預かって管理・整備) ③百面の森林総合情報システムネットワークの構築(所有者ごとの境界が明確となっている) を整えた。これまでの取り組みの結果、村管理の森林管理面積は約2,350㏊と拡大してきた。間伐材の収益の分配は、平成25年度で平均販売単価9,100円/㎥となり、所有者分配金は2,800円/㎥であった。木材価格が上昇したため、収益は大幅に増加した。また、都市との交通の便が良いこともあり、民間事業者の運営する『共有の森ファンド』への投資も集まり、森林所有者に対する現地説明会『新しい森づくり発見ツアー』(役場・森林組合・森の学校共催)を開催し、村の認知度向上に努めている。その他、村内でも大型木製遊具を制作し、子どもたちが西粟倉産材に触れる機会をつくったり、誕生祝品「ウッドスタート」として地産地消の木製玩具のプレゼントや、子どもが気に触れながら育つ環境をつくるため、木育拠点整備を実施している。

<森の学校事業>(川下の事業) は、間伐材を使った商品の開発・販売(消費者に直結)を通して、西粟倉のファンをつくることが目的だ。(株)西粟倉・森の学校は、旧影石小学校跡地(昭和34年築)を利用し、平成21年10月に設立された。ここを拠点に <百年の森林創造事業> により育まれた森林をきっかけに、西粟倉を多面的に活性化し、森林を人々の暮らしに繋げていく事業だ。西粟倉産材の製材所が平成22年8月に稼働したことで、FSKに認証を受けた森林材によるオリジナル商品や新たな取り組みの可能性が広がった。西粟倉産材を使用しCO₂削減に貢献するための、東京都港区との ”みなと森と水二酸化炭素固定認証制度” の協定を締結し、自然環境を守る村として知られるようになった。また、林野庁と環境省の委託事業である「木質バイオマスエネルギーを活用したモデル地域づくり累進事業」 により、中山間地での木質バイオマスのモデルケース作りにも取り組んでいる。

このような事業展開の結果、西粟倉の生き方に共感する若者が訪れるようになった。学生のインターンシップや体験ツアー等を通して、若者の応援が集まることで、森の学校を拠点とした雇用の場が生まれ、新規事業による活性化で50人の若者が定住した。始めから若者定住を目指したわけではない。この村には森林があった。唯一の資源に全てを託し村挙げて集中することを決断したのが 【百年の森林構想】 であり 【百年の森林事業】 だったのだ。いまだに手さぐりでの取り組みだが、ここにはこれしかない。

今後、地域の課題解決の視点として、独居老人の増加に対し、再生可能エネルギーを活用した低コスト生活による 「上質な田舎」 の創造を実現していこうと考えている。単なる化石燃料の再生エネルギー化では行き詰まる可能性が高い。森林をきっかけにした木質バイオマスによる、再生エネルギーの活用が西粟倉村を支えていってくれると思っている。

 

地域自らの決断が地域自身を変え、地域活性の再生エネルギーとなることを学んだ研修でした。説明をしてくださった、産業観光課 百年の森林構想推進係 小椋課長補佐、総務企画課 粟屋課長補佐には、お忙しい中お世話になりました。ありがとうございました。

※FSK=ドイツに本部を置く国際組織「森林管理協議会」

三豊市議会議員研修会

三豊市議会議会基本条例第12条に基づく 「三豊市議会議員研修会」 が、1月23日(金)に三豊市議会議場において、議員、議会事務局員、一般市民傍聴者の参加で開催されました。演題は 「議会改革運動論~会津若松市議会の議会改革の取り組み~」 で、講師は、福島県会津若松市議会議員の目黒章三郎氏です。目黒さんは、平成7年初当選し現在4期目で、平成23年8月~25年8月まで議長を務めています。

 

議会改革は、これまで当たり前だと思っていたこと一つから取り組むことができる。たとえば、議会の議長選挙に市長を始め執行部が議場にいる必要があるだろうか。議会の議長なのだから必要はないのではないか、と考えてみることだ。

中学校の公民の教科書に地方の政治・自治に関する内容が記載されている。『栗山町議会の議会制度改革の記事』 『議会も首長も、互いに抑制しあい均衡を保つ関係』 『首長と地方議員という、2種類の代表を住民が選ぶこと(二元代表制)』があり、地域住民を起点とした政策形成(問題発見―分析―立案―決定―提案)が地方自治であることを説明している。

議会は、二元代表制の一翼として ●議決権を有する機関という重要性の認識(議決責任) ●そのために、多様な市民意見を背景に政策提案できる議会(一議員ではない議会というかたまり) であらねばならない。

会津若松市議会での議会基本条例の受け止め方は ●議会活動=顧客である市民を対象として行う新たな価値創造のための一連の諸活動 ●議会基本条例の再定義=議会基本条例とは、市民にとっての新たな価値創造に向け、市民参加を基軸とした政策形成サイクルの確立と実践によって、積極的な 【政策形成】 を行い、まちづくりの貢献していく、そのためのツールである。

議会基本条例に不可欠の3点は 1.市民と直接対話する意見交換会(住民の意見を聞く場となり、どうすればできるかを考える) 2.議員同士の自由討議(議案に対する賛成・反対・修正・付帯意見や決議など議会としての意見を示すために必要で、同じ賛成でも 異議なし賛成 も やむなし賛成 もある) 3.請願・陳情の意見陳述(西願・陳情も住民政策提言として受け止め、さらに政治への住民参加の機会を確保して、開かれた議会の一手段とする)

政策形成サイクルは、3つのツールを駆使する。 ツールⅠ:市民との意見交換会(意見聴取) ツールⅡ:広報広聴委員会(意見整理→問題発見→課題設定) ツールⅢ:政策討論会(問題分析→政策立案)

市民との意見交換会での意見、提言、要望等を起点とする政策形成サイクルは、市民から出された様々な声を、「議会に関するもの」と「市政に関するもの」に分ける。「議会に関するもの」の中で『議会自らの課題として検討するもの』は、今後の対応を検討する。次に、「市政の関するもの」の中で『議会としての政策検討課題テーマとなるもの』は、今後の対応を検討する。検討の方法は、【政策討論会全体会】 【政策討論会分科会】 【政策討論会議会制度検討委員会】 で検討を行う。その結果を市民との意見交換会へ報告する。その中での意見交換を経て、政策となる。政策となり予算化、執行されたものは、予算・決算審査において評価を行い、その結果を意見交換会で報告し、意見交換することによって、さらに政策形成していくサイクルになっている。

常任委員会における議員間討議の進め方は ①議案の内示の後、議案内容の事前調査・検討を行い、課題・論点の洗い出しを行い、それについて議員間における論点の整理・確認を行う ②当局から提出議案の内容説明の後、論点を踏まえた当局への質疑を行い、必要に応じて論点の再整理・議員間討議を行う ③討論 ④表決  の手順としている。予算・決算審査を連動させた政策形成サイクルを実行し、政策課題の解決に役立てている。

 

講演の終わりに目黒氏から、会津若松市議会における議会基本条例を出発点とした、政策形成サイクルによる具体的実践が紹介されました。政策形成のプロセスが明確であるために、議会がその政策をなぜ必要と認め、どのように形成していったのかが、市民からもよく分かるようにできています。三豊市議会における、議会というかたまりになった政策形成を目指していかなくてはならないことを知ることができました。

 

手嶋龍一先生の講演

香川県市議会議長会議員研修会が、1月28日(水)に今大人気の外交ジャーナリストである手嶋龍一氏をお招きし、高松国際ホテルで県内8市の市議会議員参加の下開催されました。元NHK政治記者でありワシントン特派員としてアメリカに赴任し、冷戦の終焉に立ち会っています。独立後は執筆活動やコメンテーターとして、慶應義塾大学大学院教授として後進の指導にも積極的に取り組んでいます。講演は 『動乱の時代をどう生き抜くか~中国の台頭と日米同盟~』 で、最新ニュースであるイスラム国の人質事件の背景や、東アジアの政局と日米同盟との関係等、幅広いお話をいただきました。

 

強力な警察国家であるはずのフランスで発生したイスラム国による新聞社襲撃テロは、表現の自由の危機とともに、アルカイダとイスラム国が繋がっているという事実に、世界中は大きな衝撃を受けた。

原油価格の下落は、市場の需給バランスを越えた力で価格が動くという、天下動乱の兆しだ。OPECがシェールガスに対抗するために生産調整しているのだという表向きの理由が言われているが、原油価格下落によってイスラム国の収益源を止めるためであり、OPECが生産調整を断念せざるを得なかったことにある。

アメリカ経済は原油安で好況が続いている上に、シェールガス革命によってパイプラインがひかれ、全土にインフラが進んでいる。エネルギーコストは日本の1/5であり、経済基盤が強いアメリカには、日本のような少子高齢化はない。

東アジアは世界経済の推進エンジンであり、アジア半球が世界を動かすだろう。尖閣諸島は東アジア政局の要だ。日米同盟において、尖閣諸島での有事は集団的自衛権が適用されることは明確だ。しかし、オバマ政権の敗北で東アジア重視戦略にも陰りがあり、日米同盟に遠心力が働いている。

国際関係を考えるときに忘れてはいけない有名な言葉に、「インテリジェンスに同盟なし」 がある。

【インテリジェンス】とは━膨大な複雑な一般情報を意味する。インフォメーションの海から、事態の本質を示す原石を選り抜き真贋を確かめ、精緻な分析を加え紡ぎだした情報のエッセンスをいう。

【武器としてのインテリジェンス】とは━組織の舵を委ねられたリーダーが、組織の命運をかけた決断を下すに当たって、重大な決断の拠り所となるよう選り抜かれた情報こそ、インテリジェンスである。

日本では、インテリジェンス(極秘情報)とインフォメーション(一般情報)は、ともに ‟情報” と翻訳されている。インテリジェンス文化なき経済大国ニッポンだが、インテリジェンスは自衛のために自らが構築していかなくてはならない。日本には対外情報機関がない。ニッポンは強い牙もなく長い耳も持っていない。

国は、今回のイスラム国人質事件で対外情報機関の設置に動き始めた。形ができても人材が育たなければ役に立たない。人を育てるには気の遠くなるようなエネルギーと半世紀にも及ぶ膨大な時間が必要だ。これが世界におかれた日本の現実だ。選挙で選ばれる議員の皆さんには、我こそが中心であるという気概で【インテリジェンス】を駆使して、勝ち抜いて活躍して頂くことを願っている。

 

複雑な世界情勢を分かりやすく解説していただく中で、世界は【インテリジェンス】で動いていることを知り、日本が世界の中で【インテリジェンス】無き危うい国であることを気付かされました。全ては手嶋龍一先生の【インテリジェンス】のなせる技なのです。貴重な講演、ありがとうございました。

平成27年初めての閉会中の常任委員会

平成27年に年が変わって初めての三豊市議会総務教育常任委員会が、1月23日(金)に開催されました。この日の協議は、昨年の12月議会開会中の常任委員会において、協議時間が十分確保できなかった案件について、改めて協議する必要があるものについて集中して行われました。

【新学校給食センターについて】

1.北部学校給食センターについては、横山市長出席のもと、北部地区学校給食センターが、予算凍結に至った理由について説明があった。「当初計画予算に対し、建築費用が高騰したことによって財政運営が厳しくなっていく中、今一度、児童・生徒数の減少による給食数の影響を検討し直す必要があると判断したため、平成26年度当初予算に計上しなかった。また、詫間小学校給食センター等のまだ使用可能な施設を活用することで、規模を3,000食から2,000食に縮小するとともに、PFI方式等による事業費抑制を検討するためだ。」 これに対して各委員から質問や意見、提案が出された。市長から 「今回の委員会での協議内容を持ち帰り、既に確保済みの建設予定地にこだわらず、将来を見通した場所と運営方式等を再検討し、早急に再度議会(委員会)に提案したい。」との回答があった。

2.南部学校給食センター(建築中)の運営方法について   『運営方式』:公営公設一部民間委託(調理及び配送を民間委託)3年間長期継続契約とする   『業者選定方法と予定』:公募型プロポーザル方式で、10月募集開始し12月委託業者決定

【コミュニティバスについて】

現在運行している全路線を全面的に見直し、3年間の委託契約終了後の平成29年度より新たな路線で運行することを検討する。  ●平成27年度━現況整理、アンケート、路線の再編整備案の検討等を行い、モデル路線を設定し1~2路線の実証運行の計画と準備を行う   ●平成28年度━4月からを目途にモデル路線の実証運行を実施し評価を行うとともに、モデル路線以外の路線の再編案の検討を行う

【宝山湖公園使用料について】

平成25年施行した使用料が高額であるとのことで、使用料の改定を行う。芝生広場(1区画):中学生以下4,000円/時を2,000円/時に、一般8,000円/時を4,000円/時にし、平成27年4月施行予定。

その他として、【消防団を中核とした地域防災力の充実強化の推進】の報告  ●方面隊運営費の創設により消防団員の処遇の改善を行う(方面隊運営費 2,000円×1,091人=2,182,000円を新設)   ●女性消防団員の加入促進により消防団の充実強化を行う(災害時における女性の役割は重要であることから、女性消防団員を設置 各町2名で計14名で構成し、方面隊には属しない独自の組織とする)

 

以上で、平成27年初めてであり、平成26年度の第4回の閉会中の総務教育常任委員会報告を終わります。

統合新設小学校の安全祈願祭

三豊市が本年度予定していた、小学校の大型建設事業2件の建築工事が始まりました。平成27年1月15日(木)は、未明からの雨が降り続く中、9:00から山本地区統合新設小学校が、11:00から財田地区統合新設小学校の安全祈願祭が、厳粛に執り行われました。

山本地区は、辻・河内・大野・神田の4小学校を統合し、児童数330人程となります。造成費や備品等を含む総事業費は約28億円です。また、財田地区は、財田中・財田上の2小学校を統合し、児童数は200人程となります。同じく総事業費は約25億円です。いずれも木材等を多用し、内装材は可能な限り地元産木材を取り入れ、子どもたちの教育環境に配慮した設計となっています。両校とも平成28年4月1日開校に向け建築工事が進められていきます。

三豊市全体の小学校再編整備計画は、平成23年に 『三豊市立学校適正規模・適正配置検討委員会』 から答申された内容に基づき進められていますが、今回の山本地区及び財田地区の統合がおよそ5年近く早まったため、今後、統合を控える地区の状況によっては、地元との協議が早まる可能性があると思われます。

安全に、最高の学校施設が完成することを心から願っています。

三豊市立小学校の再編整備の具体的方法

明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年から吹き続いていた風は、正月三が日続いていましたが、1月4日(日)は朝から穏やかです(まだ少し時折風の音は聞こえますがかなりましです)。明日からの仕事始めに向けアイドリングには調度いい一日です。

明日は三豊市役所への初登庁で、これから議員活動の本格始動となるはずですが、6日(火)と7日(水)の2日間、ちょっと私事で東京へ出かけてきます。横浜に住む娘の初舞台を見に行ってきます。7日~11日の間、新宿の新国立劇場小劇場で開演される【新・幕末純情伝(つかこうへい作)】で役をいただいたらしいのです。日ごろはろくに連絡もしてこないのに、昨年の暮れ突然「6日こちらへ来ますか?」という意味不明のメールがあり、詳細を確かめるとその日にあるリハーサルを見に来ないかという案内だったのです。どんな役をもらってどんな演技をするのやら何も知らされていませんが、とにかく行くこととしました。一人で自分の夢に向かって頑張っているのかと思うと応援したくなるものです。(絵にかいたような親ばかだ)

親の言うことは一切聞かず、誰にも相談せず勝手に自分で決め大阪の専門学校へ行き、2年の後東京へ行ってしまいました。こんな彼女ですから、親の常識にかからない行動で、親の想像の域を越えたサプライズを届けてくれたのだと思っています。(まったくの親ばかだ)

親としては心配で辛抱もいりますが、若い時にしかできないことをやり抜くことは、人生において大きな成長の糧になると信じています。挑戦し続けてくれることを期待しています。(筋金入りの親ばかだ)

ついでに、市政の大きな課題である水族館を視察してきます。スカイツリーにある「すみだ水族館」に行って来ようと思っています。

良い年になるよう、皆さんとともに挑戦的に活動していきたいと、決意を新たにしています。

本年最後の日記帳です

2014年(平成26年)の年の暮れを迎えました。本年1月には第3回の三豊市議会議員選挙があり、定数22人中2番という成績で当選させていただくことができました。ひとえに皆様のご支援あってのことと、心からお礼申し上げます。新たな年を目前にして今後とも変わらず挑戦し続けていくことをお伝えしたいと思います。

さて、1年を振り返ると、本年は合併してから8年を費やし、これまで慎重に検討されていた市の大型建設事業が多く発注された年となりました。「危機管理センター」 「南部給食センター」 「南部火葬場」 「山本地区新設統合小学校」 「財田地区新設統合小学校」など、未来に対する投資が始まりました。いづれも、平成27年度中の完成で再来年の平成28年4月からの運用の予定で進められています。新施設完成によって閉鎖され遊休施設となる現施設の、新たな有効利活用がこれからの課題となります。国の推し進めようとする地方創生とあわせ、地域活性の拠点となるような利用方法の検討が不可欠であると考えています。

本年最後の日記帳です。12月議会閉会時に市から報告のあった2件についてお伝えします。

1件目は、市水道事業の 「『香川県広域水道事業体検討協議会』への参加」 です。現在、香川県下の自治体はそれぞれに水道事業を運営していますが、それを県で一元化し全県一つの水道事業とするものです。三豊市も年が変わった4月に設置予定の 『設立準備協議会』 に参加するべく、その手続きに入ります。

2件目は、「三観広域埋め立て処分場の処理水の排水について」 です。三観広域行政組合のごみ焼却施設であったクリーンセンターは、既に閉鎖されています。その結果施設稼働時には焼却炉の冷却水として使用されてきた処理水〔塩分濃度2%(海水は3%)〕はその利用ができないため、処理の方法が大きな問題となっていました。閉鎖以来これまで80t/日ペースでタンクローリーで運送され、坂出市の民間焼却施設で処理されてきました。その経費は10,000円/tで、年間に約2億円が費やされていました。この費用は広域事業として2市が人口割りで負担してきました。今後は、観音寺市は市し尿処理場で、三豊市は市内の民間事業者に委託し処理することとなります。処理費用は試算で従来の3分の1程になる見込みです。

最後の最後まで何かと慌ただしい一年でした。十分な報告ができていないことを反省しながら、新たな年に向け新たな心で取り組んでいきたいと思っています。一年間ありがとうございました。よい年をお迎えください。

平成26年12月議会の一般質問報告・2

12月議会の一般質問2件目は、《「ラウンドアバウト方式交差点」の導入について》の報告です。

【質問】

拡大の時代から人口減少高齢社会という縮小の時代になることで、これまでの社会資本の在り方が大きく変化することは、誰の目に見ても明らかだ。拡大の時代は、車社会とともに主要交差点には安全対策として信号が配置されてきた。しかし、縮小の時代に突入し、それにふさわしい道路整備の在り方があるはずだ。

交差点の在り方の一つに、信号の要らないロータリー式の交差点であるラウンドアバウトの導入がある。ラウンドアバウトの特徴と期待される効果は、無駄な信号機がなくなり効率が上がる、真っすぐ直進できないため速度抑制ができ安全性が上がる、信号設置がないため導入と維持管理コストの縮減となり経費が下がる、などがある。また、縮小の時代とは違った角度から、大災害時におけるのメリットは大きい。補給路や救援路、救助路等の確保のため、交差点で信号が消えていることによる混乱が回避でき、大災害時に停電しても交通に支障がなく、復旧活動に速やかに対応できるという点で、これからの時代にふさわしいメリットもある。

2013年6月に道路交通法改正により、本年9月1日より全国で運用が始まった。ラウンドアバウト方式の県道、市道における交差点改良時の導入見通しについて問う。

【答弁】

ラウンドアバウト方式といわれる環状交差点は一旦停車せず流入可能で、比較的交通量の少ない交差点で効果があるとされている。導入状況は、国内では32都道府県140か所で導入されている。現在、県内では導入実績はない。人口減少とともに交通需要の減少も予測されており、現在、全国でこの方式が導入されているのは、効率的で効果的な道路整備への転換が図られているからだと考える。今後、ラウンドアバウト方式に該当するような交差点改良が必要となった場合は、導入の可能性も含め、交通量の調査、他の交差点と比較しての経済性、安全性、円滑性、維持管理の観点から検討する。

全国で140か所で導入されているが、東日本大震災の被災地である東北地方や災害の多いところで実績が多い。これから南海大震災等も危惧しながら計画を進めている地方もあり、調査し導入の検討をしていく。

 

以上で、平成26年12月議会の一般質問報告を終わります。