総務教育常任委員会行政視察研修 報告・3

総務教育常任委員会行政視察研修の3件目の報告は、8月20日(木)午後に訪問した長野県上田市における、「若者サポートステーションについて」と「幼保小中連携の取り組みについて」です。

 

上田市は、平成18年3月6日に上田市、丸子町、真田町、武石村の4市町村による新設合併で誕生した。人口16万人、面積552.04㎢で、県内では3番目の規模を持つ、県東部の中核都市だ。戦国時代に活躍した真田氏の発祥の地であることで有名だ。また、多くの文化遺産が残されており、「信州の鎌倉」の異称で呼ばれている。現在は、製品出荷額で安曇野市に次いで県内2位である。

「若者サポートステーションについて」は、事業の受託団体である認定NPO法人侍学園が運営する『若者サポートステーション・シナノ』から説明があった。

15~39歳を若者というが、その内不登校13万人、パラサイトシングル1,200万人いるといわれている。また、近年若者の非社会的傾向が強くなっており、教育、職業、職業訓練のいずれにも参加していない15~34歳のニートは84万人いるとされ、引きこもりは70万人、予備軍は155万人いるとの内閣府の発表もある。

例えば、引きこもり100万人いるとし、本来就労しているはずの30代が3割で30万人とする。30万人に1か月5万円の投資をすると150億円となり、1年間に換算すると1,800億円もの社会投資が必要となる。この若者たちを立ち直らせて就労に導くのが『地域若者サポートステーション・シナノ』の役割だ。

サポートステーション(サポステ)は、厚生労働省が認定したNPO法人や株式会社等が運営しており、全国に160か所設置されている。長野県には、3か所ある。

現在、サポステ・シナノが取り組んでいる中間就労事業に、【サムライバリュー】がある。仕事場は、若者の自尊心を傷つけないために、カフェのような就労体験環境にしている中古書籍とコーヒーの店『ことば屋』だ。これが、、アマゾンの中古書籍物流事業者である「バリューブックス」と侍学園が連携した中間就労事業となっている。中古書籍の検品・クリーニングを行いPC入力してアマゾンへ出品するとともに、商品を『ことば屋』の店頭に陳列し、アマゾンから入った注文を受注し本を探し出し梱包・発送する。

安心できる環境であるならば働けるし仕事はできる。そんな若者に働く機会をつくっている。このような地道な活動によって、サポステ・シナノは年間100人の若者の就労に結び付けている。

働けない若者を、社会に適応させようとするべきなのでしょうか?それとも、彼らが働きたいと思う社会に変わらなければならないのでしょうか?断崖と絶壁に立つ思いがしています。

 

「幼保小中連携の取り組みについて」は、上田市では、子どもたちの育つ環境の激変や育てる親自身の未熟さによる育児不安、また、年間に出生する子どもたちのうち1割が発達障害の疑いがあるとの現状の中、教育委員会と健康こども未来部(保育課、子育て・子育ち支援課)が連携を図り、幼児期から義務教育期までの子どもの視点に立った一貫した育成に取り組んでいる。幼保小中の連携を推進し、家庭や地域、学校が共通した認識で子どもたちの成長を支えていくことが重要であることから、幼保から小、小から中へのスムーズな移行を図るため「ブロック会議」を設置し、情報交換や交流をおこなっている。

上田市の掲げる保育目標「心豊かな子ども」と、教育委員会目標「次代を担う人づくり」を実現するために、幼保小中の連携によるギャップを少なくした接続をいかに行うかが主要課題であり、幼児教育と小学校教育といった、立場によって子どもの見え方が違うことを前提として、取り組むこととしている。

特に、幼保小連携事業は、「接続期が子どもにとって安心した学びの場であるためのものであり、決して就学のための教育準備期間であってはならない。」として、子どもたちにとって毎日の全てが一所懸命の本番であり、練習では決してないということを基本にしている。

園の生活における子どもの特性を知る保育士は、子どもの情報や支援方法を学校へ伝えることで、子どもが安心して小学校生活をスタートすることができるようにし、学校職員は子どもの持っている力を発揮させる教育活動を計画実践する。また、各施設を訪問しあい職員間の交流を行う中で、幼保小の生活リズムや運営目標の違いをよく知り違いを知ったうえで、それぞれの生活や教育環境を見直す。これらの取り組みから、一例として、不登校になりそうな子が、保育士と接することで立ち直ったという成果があった。

校長・園長合同会議は、それぞれの立場から見た「幼保小中連携の必要性について」理解を深める役割を担っている。また、中学校区ごとの幼保小中で構成する「ブロック会議」は、子どもの記録を引き継いでいくことができ、子どもの連続した成長につないでいくことができる。

上田市の健康・福祉と教育関係部局の連携によって、「上田市未来っ子かがやきプラン」が結実している。

幼保小中の一貫した子育てと教育で最も求められるものは、子どもの成長を幼保小中の先生たちや地域の大人が、途切れることなく見つめていける環境づくりなのだと、再確認することとなりました。

 

以上で、上田市における研修報告を終わります。

総務教育常任委員会行政視察研修 報告・2

総務教育常任委員会行政視察研修の2件目の報告は、8月20日(木)午前中に訪問した長野県千曲市における「信州千曲ブランドについて」です。

 

千曲市は、平成15年9月1日に更埴市、戸倉町、上山田町の3市町合併により誕生した。長野県の北部、北信地方の千曲川中流域に位置しており、人口約6万人、面積119.79㎢で、明治期より善光寺詣での精進落としの場として、戸倉上山田温泉があるなど、名湯の地といわれてきた。また、江戸期には宇和島藩との交流で杏が栽培されてきた。千曲ブランドにも杏を素材とした商品が生まれている。

千曲ブランドの立ち上げの発端は、市の名前が「千曲市(ちくまし)」と読まれず知名度が低いことから、「千曲ブランド」をつくることで広く認知してもらうために始められた。平成20年に産学官連携・千曲ブランド推進担当課が設置され、21年に産業振興課に統合され、係りとなり「千曲ブランド」推進の体制となった。

ブランド認定を検討するにあたり次のような点が課題として分かった。千曲市の産品には ①市内には、水が豊富であるため食品会社が多い ②農産物については、JAがすでにブランド名を持っている ③工業製品は、多種多様でブランド化してもメリットがない ④地元の食品会社ではあるが、何を作っているのかわからない といったこともあり、先ず、分かりやすい加工食品に絞ってブランドを立ち上げることとした。市内業者に呼びかけ、応募があった業者を対象に認定の条件もゆるくし、とりあえず作業を進めた。

このような動きの中、農業・商業・工業・観光団体並びに公共団体等による「信州千曲ブランド推進協議会」が、平成21年7月に設立された。「信州千曲ブランド」の認定制度は、先ず、加工食品に絞り地元の皆さんに知ってもらうことから消費拡大を目指すこととした。認定対象要件は、●市内で製造される加工食品または市内で生産された原料を使用する加工食品 ●千曲市内に本店又は主な事業所を有するものが、自社商品として市販しているもの ●使用する原材料は市内又は国内で生産されたものをしようすること などだ。認定の審査は、ブランド認定審査会(5名)においておこない、認定期間は2年で、統一の認定マークを表示している。

第1回の認定は、平成22年2月に22業者80品目。平成23年2月に13業者28品目が加わり、合計29業者108品目となった。認定期間満了の平成24年2月に32業者120品目を認定した。その後の平成26年2月は、33業者126品目を認定している。現在平成28年2月の認定作業に向け準備中である。

ブランドの立ち上げは行政主導で行われてきたが、平成22年に「信州千曲ブランド認定業者の会」が設立され、ブランド展開にあたって民間の力が大きな推進力となってきている。これまでの5年間、市内域を超えた3回の千曲川地域ブランドフェアの開催や首都圏他各地でのイベント等への参加で、活発なPR活動の実績を重ねてきた。

これまでの取り組みに関する反省及び課題は、●「信州千曲ブランド」の認知度は市内ではある程度浸透したようだが、まだまだ商品購入につながっていない ●売り上げに業者間の差が出ている ●認定業者の会を中心に共同出店をすることで、一体感と盛り上がりが感じられる ●市内向けと市外向け、お土産と家庭用等が違うため、商品のグループ化の検討 ●セット商品の開発 ●消費者を飽きさせない新商品の開発やデザインの見直し ●多品種であるため消費者から分かりにくいとの意見があり、認定商品の区別化による販促活動の強化 などが挙げられている。

 

行政がいくら旗を振ったところで、商品を産み出すのは民間事業者です。「千曲市」と「信州千曲ブランド」の認知度向上のため、これこそがこのまちの顔だといえる、儲かる産業への支援集中も必要なことであるのであろうことと、足元をしっかり見据えることの重要さを、わがまち三豊市の現状を重ね合わせ痛感した研修でした。

総務教育常任委員会行政視察研修 報告・1

平成27年度の三豊市議会総務教育常任委員会行政視察研修に、8月19日(水)~21日(金)の3日間参加し、4市(長野県安曇野市、千曲市、上田市、石川県白山市)での研修を行いました。

 

第1回の研修報告は、19日午後に訪問した長野県安曇野市における「防災対策について」と「道の駅ほりがねの里」です。

安曇野市は、平成17年10月1日に豊科町、穂高町、三郷村、堀金村、明科町の5町村による新設合併で誕生した。長野県のほぼ中央部に位置し、県内第2の市である松本市に隣接している。人口98,000人余、面積331.78㎢で、豊かな自然環境と景観の中で、製造品出荷額県内1位の「暮らす場」と「働く場」のまちとなっている。

この地域は、糸魚川ー静岡構造線(北部)に位置しているにもかかわらず、近年大規模災害の発生がなく、市民の防災意識が低調な中、東日本大震災をきっかけとして防災対策に取り組むこととなった。

「防災対策について」は、自助・共助・公助の観点からの研修と現地視察を行った。

<自助> 『防災用品購入補助金』の制度を平成25年度より実施。事業内容は、各家庭に保存食、保存水をはじめ防災用品を備えてもらうため、飲料水と食料品(3年以上保存)の2品目の購入金額の3分の1、最大4,000円を補助するものだ。なお、この2品目の他非常持ち出し袋・懐中電灯・ラジオ・おむつ・生理用品等も対象としている。平成26年度アンケートでは市民の38%が非常持ち出し袋を所持している。

<共助> Ⅰ.自主防災組織への活動支援  『防災活動支援補助金』があり、自主防災組織の組織力強化のため、2つの事業補助金制度を実施している。 ①防災資機材整備事業:防災倉庫、発電機、担架、リヤカー、救助用工具セット等、購入価格の2分の1を5年間で最高50万円を補助 ②防災訓練・防災啓発:炊き出し訓練材料費、応急救護訓練用フェイスシート購入費、支え合いマップ印刷費、防災資機材のメンテナンス費用等に、経費の2分の1を10年間に各年度ごと最大3万円を補助   Ⅱ.防災訓練  自主防災組織数は83区95組織(組織率100%)で、このうち71組織で計82回/年実施され、参加人数は8,300人余となっている。

<公助> 市が実施する防災対策として、主なものとして8つある。 ㋐防災行政無線(同報系・移動系) ㋑安曇野市防災行政無線テレホンサービス ㋒安曇野市メール配信サービス ㋓安曇野市ハザードマップ ㋔避難情報等の判断伝達マニュアル ㋕安曇野市公式ツイッター ㋖公的備蓄の実施 ㋗出前講座(防災に関すること)の実施 など。

次に、安曇野市業務継続計画(BCP)については、応急業務及び非常時優先業務を発災直後から業務継続すべく計画したもので、平成27年3月に策定し、今後は実効性のあるものとするため、訓練等の実施を検討している。

「防災対策について」の最後に、【安曇野市防災広場】の現地視察をした。合併により発生した重複施設の市民プール跡地に、災害時に本庁舎に設置される災害対策本部を補完する支援拠点として設けられた。1.5haほどの面積があり、周辺には公共施設等が集積しており、災害時における避難所として期待される。平常時は、市民の憩いの場、防災教育、消防団のポンプ操法場としてりようされている。防災機能は資料の通り。

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「道の駅ほりがねの里」は、昭和62年に旧堀金村の一地域の直売所『新鮮市』として開設され、平成3年には堀金地域全域での直売所『堀金新鮮市』として現在の場所にプレハブでの営業をスタートした。現在は、安曇野市の指定管理制度施行により『農事組合法人 旬の味ほりがね物産センター組合』が指定管理者となり運営している。ほりがね物産センターの活動の3本柱は直売所、加工品、食堂で、3部の取り組みによる相乗効果をねらっている。 ①物産部:生鮮野菜は、堀金産、安曇野平からの地域の農家の顔の見える農産物を中心に取り揃えている。冬場の農産物の品薄時期には、JA愛知みなみと個人生産者と連携し、通常営業を行っている。 ②加工部:地元の食材、旬の食材を活かすことを第一に考え、安曇野を感じてもらえるような商品開発を目指している。地元産の原材料にこだわり、直売書で販売するとともに、地域の学校給食への提供も行っており、年間では300種類の加工品を生産している。 ③食堂部:季節ごとに直売所で販売している食材を中心に使った田舎風メニューの提供にこだわっている。

現在、年商6億円の実績を上げているが、組合員142名の高齢化とともに後継者不足が問題だ。世代交代を進めるとともに、堀金地域以外の安曇野地域全般からの産直品の検討もしており、農産物の安定供給の維持に努めて行くこととしている。

 

災害の少ない地域に共通する悩みは、危機意識の希薄さです。いかに全ての市民に防災意識の向上を図るのかが、施策の重要な部分であると感じました。「道の駅ほりがねの里」では、明確な運営方針が店内にいきわたっているようで、接客も活き活きと、てきぱきとしており、新鮮市の原点を見た思いでした。以上で、長野県安曇野市における視察研修報告を終わります。次回は、同県千曲市の報告をします。

 

 

閉会中の総務教育委員会(平成27年7月24日開催)

三豊市議会総務教育常任委員会が、平成27年7月24日(金)に開催され、所管部局からの報告に対し協議がされました。

【教育委員会】

●学校再編(新設統合小学校整備事業)について

※財田地区及び山本地区新設小学校の平成25~27年度にかかる建設事業費総額の試算が示された。 〈財田地区〉25億11,765千円 内訳:継続費が22億607千円、継続費を除く現年分が2億1,212千円、繰越明許費が1億9,946千円。 〈山本地区〉28億27,136千円 内訳:継続費が23億78,868千円、継続費を除く現年分が2億86,561千円、繰越明許費が1億61,707千円

※新設小学校開校による児童の通学安全確保のための道路整備個所の状況が示された。    〈財田地区〉市関係:3か所、県関係:2か所  〈山本地区〉市関係:6か所、県関係:6か所

●新設統合小学校における通学支援について(スクールバス)

*スクールバスの利用及び運行は、通学対象者を小学校から半径2㎞を越える自治会を対象とし、午前7時45分までに到着するよう設定する。 *支援対象者は、財田が197名中83名、山本が324名中134名でスタートする。 *バス台数は、財田が中型バス(37席)2台、山本が中型バス(37席)2台・マイクロバス(22席)1台。 *運行費用と予算措置は、バスは三豊市で購入、維持管理し、運行を事業者委託する。なお、バス購入費は9月補正予算計上する。

●南部学校給食センター整備事業について

※民間委託業者募集についての応募者資格要件は、 ①学校給食調理施設・病院施設等での調理委託の実績を3年以上有し、現在も調理委託契約を締結していること。 ②国税及び地方税を滞納していないこと。 ③過去5年以内に食中毒などの食品衛生法に基づく営業処分を受けていないこと。 ④製造物責任法に基づく賠償責任保険に加入していること。 ⑤契約締結時点で以上の4要件を満たす履行保証人を確保すること。

※学校給食アレルギー対策は、市学校給食の食物アレルギー対応給食実施基準に基づき、給食を提供するためのマニュアルを作成し、安全性最優先とする。

●その他として、学校給食施設の現状の人件費と、一部民間委託した場合の人件費との比較資料が提出された。

【総務部】

●香川用水調整池(宝山湖)造成地について

水資源機構から、会計検査において当地が「処分すべき財産」であるとの指摘を受けたことにより、市に譲渡等の処分をしたいとの打診があった。今後検討に入る。

●(株)たからだの里「環の湯」ボイラー修繕に係る予算執行について

ボイラー更新は、来年度(28年)の予定だが現状不具合状況であるため、前倒しして修繕する。本年度予算の工事請負費39,603千円の中から、12,800千円を充てる。

●たかせ天然温泉におけるボディケアについて

当温泉が営業するボディケアが、マッサージにあたるのではないかとの意見が寄せられていた。リラクゼーション業であるボディケアはマッサージ業ではないため、営業に問題はないとの結論だ。

【政策部】

●台風11号災害関係の予算対応について

災害復旧に係る設計委託料等を、専決処分対応する。

●台風11号による離島航路への影響について

志々島定期便発着桟橋の破損により、海上タクシー対応した。

●台風11号による讃岐造船跡地ドック扉転倒について

船が誤って進入しないよう、オイルフェンス等を張って対応した。

●小学校跡地利用に関する意見交換会の開催について

財田町 7月28日(火)、山本町 7月30日(木)実施する。

 

閉会中の総務教育常任委員会の協議報告を終わります。

平成27年6月議会一般質問報告

平成27年になって事情があり、3月議会の一般質問はお休みしていました。障害者自立支援法から障害者総合支援法に改められ、初めての三豊市障害福祉計画が本年3月に策定されたことで、どうしてもこの6月議会で取り上げたいテーマがありました。一般質問通告通り 「三観圏域における障害者(児)福祉の現状と課題及び対策について」 を行いました。

【質問】

第4期三豊市障害福祉計画は、平成27年度から29年度の3か年を計画期間としており、これまでの障害者自立支援法から ‟障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律” 障害者総合支援法に改められて、初めての計画となる。制度の谷間のない支援の提供とともに、地域の人を地域で支える展開へと進めようとしている。

障害児が通う特別支援学校卒業後の進路は、適性や希望により企業等への就職や障害者支援事業所への通所や施設入所がある。ところが、三観圏域においては障害者支援事業所の定員が不足しており、他圏域の施設へ通所せざるを得ない状況となっている。今後、香川県西部養護学校やその他の学校からの卒業生や、これまで引きこもり状態であった中年齢の障害者も、今回の法改正で事業所の利用を始める人も増加しており、ますます事業所と定員不足は確実と予測される。

このような現状から、三観圏域における障害者(児)福祉の現状と課題及び対策について質問する。

1.三観圏域における現状と課題について、どのように分析しているのかを問う。

2.遊休公共施設の有効利活用として、障害福祉計画で定めた政策目標達成のため、施設維持管理費用の削減と、事業所設立を容易にするための初期投資負担軽減による、福祉事業目的の条件付き公募の考えを問う。

3.新たに事業所設立を促すための助成や補助制度による、設立支援制度の創設を問う。

4.真に福祉の充実した地域社会とするためには、地域の人を地域で支える社会性のある事業形態(ソーシャルサービス・ビジネス・ベンチャー)施設が必要だ。事業所開設に向けて、保護者にばかりに負担をかける事業所運営ではない、福祉事業者が純粋に障害者の支援事業所を起業しやすくする条件整備について問う。

5.第4期障害福祉計画の放課後等デイサービスの見込み量を、平成26年度の169人から29年度の199人の30人増としているが、その具体的方策を問う。

【答弁】

1.これからの社会は、障害のある人全てが障害のない人と地域社会の中でともに暮らし、ともに活動できるような取り組みが求められていると理解している。三観地域自立支援協議会の調査で、保護者等の回答では地域で生活するために必要な支援として、経済的な負担の軽減、相談対応の充実、必要な住宅サービスが必要との回答が上位を占めている。今後利用したいサービスとして、就労継続支援、就労移行支援などで、卒業後の進路に悩んでいることがうかがえる。また、事業者の回答では、日中活動対応の事業所数は利用者と事業者間の調整などにより対応しており、利用者が事業所を選択できないという傾向が見受けられ、充足しているとはいいがたい状況だ。

2.市内の遊休公共施設は、現在クリアプラザ跡地など数か所あるが、小学校の統廃合によりいくつかの遊休施設が生まれる。福祉事業目的による条件付き公募について、関係部局などとも協議していきたい。

3.事業の設置には社会福祉施設等施設整備費国庫補助金という制度がある。現在、三観圏域で事業を行いたいとの3件の相談があり、1件は申請中だ。市からの事業者への支援は、遊休公共施設の有効活用などと併せて制度の創設ができればと考えるが、現在のところ財政事情からも厳しい状況だ。

4.社会性のある事業運営形態となれる整備条件について、第4期障害福祉計画で施設や病院からの地域移行や親亡き後に備えるため等、障害者の生活を地域全体で支える体制の構築を目指している。国の政策で地域生活支援拠点の整備や基幹相談支援センターの設置を掲げており、三観地域自立支援協議会で協議を始めている。社会性のある事業形態(ソーシャルサービス・ビジネス・ベンチャー)は、成熟社会の労働の在り方として理想的なものの一つだ。新たな事業所の出現に期待するとともに、支援していきたいと思っている。

5.NPO法人や養護学校等の関係機関と現在も協議中だ。今後も市として見込み量が確保できるよう推進していく。

 

平成27年6月議会の一般質問の報告を終わります。

6月議会報告━補正予算関係

6月議会の一般会計と介護保険事業特別会計の、補正予算関係の報告をします。

 

一般会計補正額は29,543千円で、歳入歳出ともに補正後の予算総額は、359億19,543千円となります。

歳入の内訳は、

「国庫支出金」 ▲3,680千円   消防防災施設整備費補助金▲17,782千円、地域経済循環創造事業交付金10,000千円、介護保険費国庫負担金(低所得者保険料軽減強化)3,629千円、他

「県支出金」 3,944千円   心の交流事業県委託金1,830千円、介護保険県負担金(低所得者保険料軽減強化)1,814千円、他

「繰入金」 12,129千円   財政調整基金繰入金

「市債」 16,900千円   危機管理センター建設事業(合併特例債)

歳出の内訳は、

【総務部】 『管財課』953千円  山本支所管理事業608千円、財田支所管理事業345千円

【政策部】 『産業政策課』10,000千円  産業振興事業(地域経済循環創造事業補助金)   『田園都市推進課』590千円  定住促進事業(学生合宿)

【健康福祉部】 『介護保険課』9,903千円  介護保険事業特別会計繰出金   『子育て支援課』3,622千円  子育て応援商品券支給事業6,266千円、母子保健事業(賃金)▲2,644千円

【建設経済部】 『農業振興課』1,361千円  林道維持管理事業(建設工事関連委託料)

【教育委員会事務局】 『学校教育課』3,114千円  心の交流事業(県委託金)1,860千円、原子力・エネルギー教育支援事業(国委託金)415千円、学力向上モデル事業(県委託金)311千円、コミュニティ・スクールの導入に関する調査研究事業(国委託金)278千円、他

 

介護保険事業特別会計は補正額2,643千円で、補正後予算額は73億52,643千円となります。介護保険制度の改正による低所得者保険料軽減のためです。

 

以上で、平成27年6月議会の報告を終わります。

6月議会報告━補正予算以外の議案

前回お約束した通り、三豊市議会6月議会の報告をします。一般会計と介護保険事業特別会計の補正予算の2議案以外の議案である、条例関係等についてお伝えします。

「議案第68号 三豊市地域子育て支援センター条例の制定について」  3か所のセンターを地域の子育て機能の充実のため、子育て支援拠点として条例で規定するとともに、指定管理委託できるようする

「議案第69号 三豊市家庭的保育事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の入部改正について」  准看護師を1人に限り保育士とみなすことができるようにする

「議案第70号~78号  香川県市町総合事務組合規約の一部変更について(三豊市及び8つの財産区)」  小豆医療組合が地方公営企業法全部適用により、小豆島中央病院企業団に名称を改める

「議案第79号 動産の買い入れについて」  情報システム機器更新で、一般競争入札により(株)四電工観音寺営業所が70,200,000円

「議案第80号 工事請負契約の締結について(平成27年度山本地区新設統合小学校 プール・付帯施設棟及び外構工事)」  一般競争入札により(株)菅組が3億15,144,000円

「議案第81号 工事請負契約の締結について(三野津中学校特別校舎ほか改築ー建築ー工事)」  一般競争入札により(株)菅組が2億36,304,000円

「議案第82号 指定管理者の指定について(父母ヶ浜海水浴場施設)」  公募により(株)城中建設が、平成27年7月1日から30年3月31日までの2年9か月

「議案第83号 指定管理者の指定について(つたじま海水浴場施設及びキャンプ場)」  公募により三豊市観光協会が、平成27年7月1日から30年3月31日までの2年9か月

他、財産区管理委員及び人権擁護委員の人事案件等がありました。全議案いずれも原案可決・承認されました。

 

平成27年6月議会が閉会━意見書の採決

6月11日(木)午後に開会した三豊市議会6月議会が、30日(火)午前に20日間の会期を終え閉会しました。

今議会に市長から上程された議案の審査結果は、後日報告することとし、取り急ぎ3名の議員(共産党1名、社民党2名)から提案された 「憲法違反である安保関連法案の慎重審議を求める意見書について」 の報告をします。

議長を除く21名により、今議会より採用した押しボタン式表決で、採決が行われました。賛成9名、反対11名、退席1名で、反対多数により当意見書は否決されました。私は、反対のボタンを押しました。非常に重い問題であるにもかかわらず、戦争や平和に対する国民や市民の議論や話し合いをすることすら否定するような、決めつけた立場からの意見書であることに、賛意を示すことはできませんでした。
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私のこの意見書に対する反対理由は、次の通りです。

 

戦争はしたくありませんし、決してあってはならないことです。また、平和を願う心に一点の曇りもありません。

安保関連法案を慎重審議するにあたり、私は、先の大戦からこれまでの70年間が「なぜ」平和であったのか。そして、これからも平和であり続けるためには「何をすればよい」のかが、問われているのだと考えています。

これまでの平和が、憲法によって守られたのかもしれませんが、もしかすると、変化し続ける世界情勢の中で、自衛隊の存在とアメリカとの同盟関係があったからなのかもしれません。答は、これまでの70年が平和であった現実を直視することにあるのだと思います。また、このことを熟考することが、これからも平和であり続けるために「何をすればよい」のかに、つながっていくのだと思っています。

憲法の理想は恒久平和です。現実を理想に近づけるためにも、そして、平和を守るためにも、その努力は怠ってはなりません。自らを守るために自らがどのような備えをするのかを、自らが決定しなくてはなりません。しかし、いかなる備えができたとしても、平和であり続ける保証などありません。ただ言えることは、平和であり続けるためには、議論は永遠に続けなくてはなりませんし、自衛権を行使しつつも 『国際社会において名誉ある地位を占めたい』 ために、徹底的に知力を使い、全身全霊の熟考をし、行動していかなくてはならないと考えます。

よって、これまでの70年間が「なぜ」平和であったのか。そして、これからも平和であり続けるためには「何をすればよい」のか。このことが熟考された形跡が見えない上に、国民の議論と思考を妨げるような決めつけた論拠が大前提である当意見書に、私は反対するものです。

 

考えましょう。議論しましょう。憲法がのこって国民がいなくなるようなことにならないように、議論を避けることなく、恒久平和のために大いに語り合いましょう。

三豊市遺族会総会で考えた

先の大戦から70年を迎えています。今日の平和と繁栄の礎は、犠牲になられた英霊と最愛の存在を失った遺族の皆様の、二度と戦火を繰り返してはならないとの強い願いによって成されたものだと思います。

さて、今まさに安全保障関係法案が、国会の会期を大幅に延長して議論されています。私は、この議論の本質は、この国がこれまでの70年間 ‟なぜ” 平和であることができたのか。そして ‟どうすれば” これからも平和であり続けることができるのか、に尽きると思っています。

私たち三豊市議会においても、この法案に対して議論を行っているところです。しかしながら、戦争を知らない私たちには、生を受けてこれまでの間に戦争と平和を考える上での、血となり肉となるような、生の戦争の悲惨さを知る機会がほとんどありませんでした。そのような私たちですが、様々な資料や情報を取り寄せ、議論を深めていこうとしています。本当であるならば、このような議論は私たちの成長の過程で当たり前にあるべきだったと、後悔にも似た感情が湧き上がってきます。

安全保障関係法案に賛成であろうが、反対であろうが、私たち議員は、市民の皆様に ‟なぜ” なのかをそれそれの立ち位置において、自らの言葉で説明する責任があります。

三豊市も合併して10年目を迎え、地方創生という新たな時代へと生き残りを賭け、取り組んでいるところです。市議会としても、戦場に散り、戦禍に倒れられた方々に報いるためにも、遺族会の皆様とともに、胸を張れるまちづくりをしていかなくてはならないと思っています。

賛成であろうが、反対であろうが、平和を願うとともに戦争などしたくないし、あってはならないと考えているはずです。これまでの70年間 ‟なぜ” 平和であったのか。‟どうすれば” これからも平和であり続けることができるのかを、深く、もっと深く、考えなければならないと思っています。

三豊環境保全事業協同組合 の役割

まだ6月議会中です。議長は、議会運営上の調整だけでなく、各種団体から御案内をいただく総会やその後の懇親会などで多忙を極めています。6月26日(金)に開催された 三豊環境保全事業協同組合 の総会後の懇親会に、議長に代わり出席しました。

三豊環境保全事業協同組合 は、市内のし尿及び浄化槽汚泥収集運搬業を行う事業者10社のすべてが参加し、共同して市民生活の質の向上と自然環境保全のために、ご活躍をいただいています。

日ごろは、市の認可事業者として、し尿及び浄化槽汚泥収集運搬を行うとともに、市の委託事業(平成27年度委託料250万円)である 『水と緑の美しいまちづくり事業』 に取り組んでいただいています。この事業は3つの目的があります。一つは、合併処理浄化槽の設置推進。二つは、単独処理浄化槽の撤去事業を通して合併処理浄化槽への転換を推進。三つは、合併処理浄化槽の維持管理事業の推進 の三点です。

これからも、協同組合と市が歩調を合わせ、美しい自然環境を守るとともに、市民の皆さんの豊かな暮らしを提供していけることを願っています。